カスタムギターの進み具合は?2007年12月01日

ヤイリギターにカスタムギターをオーダーしたのが9月。2ヶ月経ってどの位進んでいるのか電話してみると、どうやら箱になっているらしい・・・と聞いたのが先週頭。もう、居ても立ってもいられなくなり、先週末行って来ちゃいました。岐阜まで。
どのような仕様なのか、明かしていませんのでさらっと記しておきます。(ヤイリギターのラインナップを知らないと何のことか分からないと思いますが、気にせず書いていきます)

形状:YD88ノンカッタウェイ、サウンドホール有
ボディ厚:ドレッドノートと同等
トップ材:シトカスプルース単板
サイド/バック:マホガニー単板

斜めから 心配だったのがサウンドホールとボディ厚。本来YD88は薄胴。しかもサウンドホール無しのエレアコです。自作の仕様書とカスタム担当の 丹羽さんとの 打ち合わせ、その後の電話での打ち合わせもしてますので大丈夫とは思いますが、月間20本位のカスタムオーダーが入ってきているようですので大変らしい事もあり、よもや、薄胴のままとかサウンドホールが開いてないとか・・・。ネック合わせの時にそんな事があったらガックリきてしまうので、この目で確認!確認!何より見たいし!

んで当日。
窓口の矢入賀光(ヤイリ ヨシミツ)さんの案内で以前見学させていただいた中間品を寝かせる部屋に行き、ご対面!
大丈夫でした。穴も開いてるし胴も厚いし、ロゼッタにも貝入れてあるし。まだ全面にペーパーをかけていないようですので、染みなどはそのままです。
トラ目びっしりのスプルース 何より、丹羽さんとの打ち合わせの時、「スプルースはきれいな横縞の沢山入ったやつお願いします!」というわがままを聞いてくれてました!(写真をクリックすると拡大されます。分かりやすいように画像を若干暗めに調整してあります)いや~こりゃ凄い!ゾクゾクしますねぇ。丹羽さんありがとう!仕上げされて塗装されたらどのようになるんだろう・・・。
ロゼッタも指定通りKOA-1L+αとなっていてアバロンは既にきれいな輝きをしてますね。このロゼッタで正解でした。赤のセルがイイ感じです。
サイド/バックのマホガニーが意外と白っぽいので、色を付ける必要があるかな?と思っています。丹羽さんともお話しし、ネック合わせの時に色は決めましょうということになりました。一点不具合を見つけたのでそれは修正いただくことで確認終了です。まぁ、見に行って良かったです。不具合もありましたので。
ロゼッタと指板周りのアバロン ちょうどお昼になったので、賀光さんと食事に出ました。食べながら「個性的な一本になりますね。YD88でサウンドホール有りで厚胴は今まで多分無かったんじゃないでしょうか」とのお言葉。あらま!正直うれしいお言葉です。
「この歳になって、こんなにワクワクする事ってなかなかないですよ!」って私。賀光さんも嬉しそうでした。

カスタムオーダーは、そこそこのお値段はします。が、他社でやっているカスタムと比べたらヤイリギターのカスタムは非常にお安いと思います。仕様では色々わがまま聞いてくれますし。こんな素人のおじさんのオーダーにも丁寧に対応してくれます。プロもアマも関係ないみたいです。頼む方がどんなギターを作りたいか細部まではっきりしていればキッチリ聞いてくれます。漠然としていても、相談に乗ってくれます。予算次第で出来ること出来ないこともはっきり言ってくれますので、できれば様々調べてギターへの知識を深めておくと、より正確に伝えることができると思います。
まぁ何より、このワクワク感や、ヤイリギターの皆さんと仲良くさせていただくという喜びみたいなものも含まれたカスタムオーダーなのだなぁ・・と強く感じています。
丹羽さんや賀光さん達との雑談でこの人たちの優しく頑固な「人となり」みたいなものも感じたり、ヤイリギターの若手職人達の前向きさの話しを聞いたり・・・。そんな素晴らしき人たちによって自分のギターが作られていくというのは嬉しいですね。そして、この工房の人達は社長はじめ優しいです。
何だか美化し過ぎた文章と読めるかもしれないですが本当なのです!経験されている方はお分かりだと思います。もし、ヤイリでカスタムオーダーするなら、ショップには頼らずに直接行って、疑問点もぶつけて、納得行くまでお話しして仕様を決められることをお勧めします!同じお金を払うのでしたら100%納得したいですよね。ヤイリ側もオーダーした人に満足してもらう事を一番望んでいます。納品されてから「ここはこうじゃなかった!」なんてトラブルはお互い避けたいです。どうしても、紙と電話だけでは伝えきれないものがあるのは事実ですよね。それには、何度か足を運ぶことです。望むものを作りたかったら、予算の中には通う覚悟で旅費分も余分に入れておくべきですよ。

札幌 やきとりキィー2007年12月09日

このビルの地下一番奥 4軒目のご紹介ですね。ただ、ここは1回しか行ってないので「行きつけ」とは言えませんが、お勧めです!
手羽先の店です。地元では有名なお店ということ。場所は、東急ハンズの裏を走る中通り沿いの地下。写真の通り、通り沿いには看板しかないので予備知識が無いと見過ごします。このビルの階段を下りて一番奥がお店。
50名までは入れるかな?それほど大きくない店内。 まぁ、居酒屋なので、手羽先以外のメニューもありますが、やっぱりメインは手羽先。
手羽先1人前なり~ 量が多いとの噂でしたが、いやはや多いです!2人で行っても1人前しか頼めません。 それもそのはず、数えてみると18本!2人では食べきれません。
手羽先と言うと、名古屋の揚げたやつが直結しますが、ここのはオーブンで焼くタイプ。名古屋タイプは食した事がないので比較できませんが、キィーの手羽は非常にジューシー。味付けも良く文句なしに「ウマイ!」



いか刺し1人前なり~ しか~し。問題があります。オーダーしてから焼き始めます。一度に焼けるのが5人前。1回に焼く時間が30分。 店内は常に満席状態・・・。となれば、待ちます。最低30分。平均1時間以上・・・。それでも通う方が多いのはおいしい証拠。
となれば、サイドメニューで時間を潰すしかない・・って言い方は適切ではないですね。居酒屋なのです。ここは。
で、頼んだのが、いか刺しとお新香。あらま、これまた量が多い。
写真の順番が逆ですが、手羽先より先にこちらが出てきます。 お新香1人前なり~
いか刺し。函館のあの〆たてのものには負けますが都内なんかで食べるものとは比較にならないくらい十分おいしいです。さすがにこれも食べきれないくらいです。お新香はご覧の通り白菜ですが、ちょっとしょっぱめだったかな?
ドリンクも、普通の居酒屋と同じような品揃えですので問題はありません。
出撃は、「開店と同時」が合言葉です。この日は、あっという間に満席になりました。そして、意外とカップルや女性が多いのには驚きです。

因みに、手羽先1人前 840円です。

札幌市中央区南1条西5丁目 敷島南1条ビルB1
TEL:011-251-4539
営業時間:17:30~23:30
定休日:日曜・祝日
4~5名で行くときは予約しておいた方が良いでしょう。
予約にはルールがあります。店のホームページをご覧下さい。
※「噂話」の6番をご覧下さい。

お店のホームページ

Ovation 1763 #12007年12月09日

1763 BACK 1763 TOP 所蔵ギター最後の登場は、Ovation 1763 Classic。

→内部の様子は、こちら
→音も録ってみましたこちら

まぁコピーじゃない、いわゆる「ホンモノ」ということになりますか・・・。エレガットが欲しくなり、いろいろ迷ったのですが、PatMethenyが同機種を使っていたこともあり、Ovationで決めました。94年に購入しましたが、シリアルから93年製です。この頃は超円高でして、$1=\96位だったでしょうか。個人輸入にハマっていたので、USAから直輸入しました。あの有名なNYにあるMandolin Brothersにて購入。$1,062だったと思います。これにUPSの保険込みの送料が$200位。成田の税関で\4000位請求されたような記憶があります。日本円換算しても、国内の実売より\40,000位安かったと思います。当然国内の保証は無いんですけどね。

スペックは以下の通り。

1763 TOP タイプ:Deep Bowl Cutaway
トップ材:AAAグレード セダー単板
ボディ材:Lyrachord(リラコード)
ネック:マホガニー/メイプル5P
ブリッジ:ウォルナット
指板:エボニー
バインディング:プラスティック白黒マルチ
塗装:表面ラッカー
ペグ:シャラー24金メッキ

今回は外観です。
AAAグレードのセダーだけあり、横縞も多くコシのありそうな板であることが見られます。光の加減でキラキラ輝きます。とても綺麗な表板ですね。見ていて飽きません。塗装はラッカーですが目止めが完全でなく、所々細かいくぼみがあります。ちょっと残念ですね。
1763 DeepBowl ボディはオベーションですのでラウンドバックボディ。1763はディープボウルです。どうも現行のラインナップには1763は無くなったようで、ミッドデプスボウルの1773LXがこれに代わる存在でしょうか・・・。スーパーシャロウの1863は健在です。
材質はリラコードと呼ばれるグラスファイバー。厚みが1.09mmしかないそうです。オベーションの設計思想には、ギターを鳴らすには音を増幅し響かせること。それには胴材の厚みを薄くし、良く振動させるということが望ましいと。しかし、木板では薄くすると強度に問題がある。そこで、ヘリコプター製造会社であったオベーション生みの親「カーマン社」の翼の技術を応用してリラコードが生まれたそうです。
1763 ウォルナットのブリッジ 確かにお腹への振動の伝わりは大変大きいですし、ナイロンでありながら、結構大きな音がします。これには、ボディが丸いラウンドバックの効果もあるようです。

さて、外観に戻ります。ブリッジはウォルナットですが、どうなんでしょう・・。エボニーなんかと比べると柔らかいので、弦を結わえてある部分が割れるんじゃないかといつもビクビクしてるんですが、そんなトラブルは聞いたことが無いので大丈夫なのでしょう。音響的にはどうなんでしょう?オベーションの生音は堅い印象があるので、それを和らげる効果とかあるんでしょうか?

1763 ヒール 次にヒール部分です。ネックの接合方法がイマイチ分かりません。ボルトらしんですが、内部からそのボルトが見えないんです(内部は次回のレポートで)。ネックはオベーションらしく薄いネックで非常に弾き易いです。もちろんクラシックなので 幅はありますが。ネックはサラサラのサテン塗装です。写真はオレンジオイルを塗った直後なのでツヤツヤしてますが、実際はもっとくすんでいます。
フィンガーボードはエボニーですが、あまり良くないです。塗装されているような色ムラがあります。フレットはエッジが深く角度が付いていますので、手に引っかからず良好です。よく気配りされてます。
1763 フィンガーボード 弾き易さではオベーションはネックの薄さからダントツでしょう。しかし、ネックの強度という面ではどうでしょう?私の1763固有なのかも知れませんが、購入から1年目で順反りしてしまい、何とかトラスロッドの調整ギリギリでほぼ真っ直ぐを保っています。ネックにはダイキャストの芯が大きく入っているはずですが、ちょっとガッカリでした。

肝心の音ですが、生音は大きいのですがちょっと冷たい音です。サスティンも結構あります。大きく響いているという意味では「鳴って」はいるのでしょうが、良い音か?と聞かれたら「ウ~ン」と唸ってしまいます。
1763 OP-24 まぁ、エレガットなのですからピックアップの音で勝負です。プリアンプのOP-24は非常にノイズが少ないですし、素直な出音だと思います。トレブル上げると、往年のジョン・マクラフリンサウンドが出せますし(あのビキビキ)、ウォームな音はまさにメセニーです。

次回は、恒例の内部潜入です。ショッキングな画像がぁ・・・。

その他の画像もアップしておきます。
シャラーのペグにある「Made in W.Germany」という刻印が歴史を感じさせます。ベルリンの壁崩壊~東西ドイツ統一の時期とは若干ズレがありますが・・・。現行は「Made in Germany」です。

1763 ヘッド後ろ 1763 ヘッド正面 1763 シャラー製ペグ














1763 ネックジョイント 1763 バインディング 1763 ナット









Ovation 1763 #22007年12月15日

ダブルファンブレイス さて、1763の内部潜入です。

→外観の様子は、こちら
→音も録ってみましたこちら

普通のギターとは構造が違うので、どのようになっているのか見てみたいところです。まずは、ブレイシングです。クラッシックギターですので、通常はファンブレイシングが基本となりますが、オベーションの場合は、独自のダブルファンブレイス。右の写真は手前がサウンドホール側。ご覧のように横に走っている力木の前後に分割されて扇状に力木が配置されているのが分かります。通常のファンブレイスは分割されていません。横に走っている部分がちょうどブリッジの部分で、弦の張力をここで受けているようですね。ブリッジ部分の付き板は無く、この横に走る力木が振動も受け表板に伝達させる役目も果たしているようです。
トップ接合部 別に見えない所ですので構わないのでしょうが、もう少し力木に仕上げを施してもらいたいものです。バリが出たままです。軽くペーパーかけたくなりますねぇ。

オベーションはこれまでXブレイシングではなく、レジェンドのようにサウンドホールが中央にあるスティール弦モデルには「Aブレイス」、アダマスやエリートのように肩にサウンドホールがあるモデルは「クインタッドブレイス」を採用してきて、あの歯切れのある生音とサスティンを生み出していたと言われています。 2004年に発表された「LXシリーズ」は、スキャロップの入ったXブレイスが採用されています。どんな生音になったのか試してみたいものです。
中尾貿易のホームページにあるカタログなどで形は確認できます。探すのが大変かも知れませんが・・。

トップ接合部ネックブロック脇 1763に戻りましょう。
ずっと気になっていたのが、ボディとトップの接合。
今回始めて見たのですが、いや~こってりボンドが塗ってあります。ライニングも成型されているものだと思っていましたが、生写真を拡大してよ~く見てみると後から貼り付けたような仕上げになっているような・・・。ギザギザした部分はどのような加工の後なのか良く分からないです。ここも見えない所ですからいいのかも知れませんが、も少し丁寧な作りをしてもらいたいところです。決して安い機種ではないのですから・・・。まぁ、オベーションは本国での中古市場ではかなり安値に落ちてしまいます。材もさることながら、こういった部分も関係してくるのかな?

ブリッジ 続いては、サドル部分です。
ウォルナットのブリッジに幅広のサドル。オベーションの顔的な組み合わせですよね。ご覧のように、サドルとピエゾ部分は一体モノです。両脇のピンを抜くと外す事ができます。一体ですので、弦高の調整はサドルを削ることはチョット無理です。
そうなんです!スペーサーが4枚付いてきてまして、これを挟む枚数で調整していきます。買った時、異様に弦高が高くて弾きにくかったのですが、取説を見ていたらスペーサーの説明があって、これで弦高調整するのだと分かりました。今は2枚入れてあります。
ピックアップ裏 スペーサー サドル外し










ヤイリのように丁寧な作りではありませんが、楽器としてのポテンシャルは高いです。同じピエゾでもオベーションはやはり独特の音です。 そう考えると、オベーションはギターではあるけれど、独立した別の楽器として捉えるのが正しいかも知れませんね。

K.Yairi DY28-12 の音2007年12月16日

順番が逆になりましたが、DY28-12の音をお聞きください。下手な演奏ですが録音してみました。何れもミキサーからProteusX+CubaseLEにてPCで録音しています。同梱のソフトエフェクト(リバーヴ)をう~すくかけています。
まず、 生音をマイク録音 (CAPOなし) したものです。(mp3:約2.5MB)

次は、12弦といったらこの曲でしょう。
生音でマイク録音 (CAPO7) です。(mp3:約2.6MB)

弦交換してから2週間位経ってからの録音です。結構下の方の音も出ていると思いますが・・・。

→外観の様子は、こちら
→内部の様子は、こちら

昭和回帰考2007年12月25日

ちょっと毛色の違うネタで。
「三丁目の夕日」のヒットも手伝って、昭和ブーム真っ只中ですよね。私は昭和38年東京足立区西新井の生まれなので、高度経済成長期の真ん中が幼少期でした。3~4歳位の時の記憶でしょうが、やけに杭打ち機のあのコ~ンコ~ンという音が遠くでしていたのが思い出されます。都営団地建設があちこちでやられていたので、その音だったのかも知れません。あの当時、西新井は田んぼもあったし、駅の東側はヨシ原だったように思います。「三丁目の夕日」の舞台とは違い、随分田舎だったようです。

さて、昭和ブームというか回帰というか・・・。何故、今なのでしょう?諸説ありますが、私の感じているところでは、日本の社会にある全てのモノのサイクルが速過ぎて、その速さは人間が付いて行ける限界にきてしまったのではないかと。モノのライフタイムも情報伝達の速度も、ゆっくり吟味する時間を与えてくれない位、次から次へ押し寄せてくる。しかも、人同士のコミュニケーションが少なくなっているせいもあり、対峙する相手に見下されないように、トレンド情報をどれほど持っているかが、相手の評価尺度であるかのようになっているのではないかと。そんな若手をしばしば目にします。
まぁ、私は面倒くさがりなので自分に必要な情報しか集めません・・というか、そんな様々な最新情報を集められる気力も才能も無いのですが・・。
おじさん達は、そんな若手の動きに付いて行ける筈もないのに無理して合わそうとする。結局会話に疲れた割には中身の無い内容だったりして、そんな時、ふと質実剛健であった昭和を懐かしむんでしょう。

昭和の時代は「1億総中流化」を目指した時代。多少の上下はあっても経済は右肩上がりでした。でもバブル崩壊から、その頂から転げ落ちる一方となった今、前向きでいられた昭和の良き時代を知っているおじさん達は、あの頃に戻りたいんでしょう。
それと、昭和は今ほど多種多様な商品もサービスも無かったから、世の中には、限られた選択肢しか無かったですよね。皆が同じような方向に向きやすかったのでしょう。つまりは、目に見えぬ一体感みたいなものが他人同士あったように思います。そんな安心感が昭和にはあったのかも知れません。

どんな「サゲ」にしようか決めないでここまで書いてきてますが、結局は、精神的に余裕を持ちたいという現れなのだと思います。でも、どうしても逃れられない現実がある。それはそれは様々な現実があると思います。

でもね。もし、今の仕事、生活を変えてしまおう・・・というシュミレーションができるのなら、ご夫婦でやってみるのも面白いですよ。実現なんかしなくてもイイんです。自分達にどういった才能があって、どんな可能性があるのか、真剣に電卓はじきながらこの先の生活を考えてみるのは決して無駄ではないと思います。あと何年生きられるのか勘定してみてください。意外と短かかったりするんです。今、ここで、昭和という時代に育てられて来た自分と対峙する時だと思うんですよ。私はね・・・そう思う。

ニッポン無責任時代 「三丁目の夕日」ではCGであの頃を再現していますが、セットでは無いその当時の東京を写し、高度経済成長期の日本を表現したような映画が「ニッポン無責任時代」に代表されるクレイジーキャッツの喜劇作品。「ニッポン無責任時代」は1962年の作品。まだ都電が走っている数寄屋橋交差点を観る事ができますし、当時のフィルム映画独特の色彩や空気感が、これまた観ていて懐かしい感じになりますね。





うたばうたゆん 朝崎郁恵2007年12月30日

しばらく聴いていなかったのですが、大掃除していたら目に止まったので紹介しておきます。
朝崎郁恵の「うたばうたゆん」。朝崎郁恵は奄美大島の島唄の歌い手です。奄美大島と言えば「元ちとせ」「中 孝介」という繋がりになるかも知れませんが、朝崎はネイティブな島唄を歌います。

うたばうたゆん 2003年だったと思いますが、まったく予備知識無く、存在すら知らない状況で、日曜の朝にやっているテレビ番組「題名のない音楽会」で聴いてしまったのが運の付き?高橋全(あきら)のピアノとで歌われた「おぼくり~ええうみ」。何故か涙が止まらなくなってしまって・・・フイを突かれました。
朝崎郁恵の詳細は、オフィシャルホームページで確認いただくとして、奄美島唄を12平均律のピアノに乗せてしまったのが非常に新鮮でした。私は、奄美ではありませんが八重山に何度か行った際に島唄を聴かせてもらったり、青森は弘前の津軽三味線を聴きに行ったりしてます。島唄や民謡は好きな方です。でも、CDを買って自宅で聴くほどまでではありません。その土地へ行って聴くのがイイですね。
このアルバムは島唄を歌ってはいますが、それとは違うジャンルになるような、私にはどこかsoulやjazzに通づるものを感じます。

私のパターンなんですが、ファーストインプレッションが衝撃的であるものは短期間で冷めてしまう傾向にあります。ですので、このアルバムも何年か振りに聴いているような始末。
改めて聴きなおしていますが、「もうちょっとアレンジ何とかならなかったか」とか、「シンセのパッドの音、もう少し何とかならなかったか」とか、冷静に聴いてしまうと、いろいろ注文を付けたくなってしまいますが、この手の音楽は、聴く側の精神状態やシチュエーションで感じ方も変わるものです。
まぁ、それを差し引いても、朝崎の唄は味があります。曲の間に加計呂麻島の浜辺で録音したとされる伴奏なしの文字通り生の島唄が聴けますが、「あぁ、これなんだなぁ」と思わせます。西洋楽器との島唄とネイティブな島唄は別物と捉えるのが良いと思います。

このアルバムでは1曲目の「おぼくり~ええうみ」、5曲目「朝顔節」、10曲目の「よいすら節」が良いですね。
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