K.Yairi YW-500Rの音 ― 2007年10月14日
今回は、YW-500Rの音をお聞きください。下手な演奏ですが、録音してみました。何れもミキサーからProteusX+CubaseLEにてPCで録音しています。同梱のソフトエフェクト(リバーヴ)をかけています。
まず、 生音をマイク録音 したものです。指弾きです。(mp3:約1.6MB)
次が、 生音とピエゾ です。バックのアルペジオは生音で指弾き、capo7です。リードはピエゾでピックを使っています。PR-500のイコライザは、TrebleとBassを+15にMidを-15に設定してます。いわゆるピエゾっぽいビギビギした感じにしてみました。(mp3:約1.3MB)
半年位張りっ放しの古い弦を使用していますので、今ひとつヌケがよくないかも知れませんが、どうでしょう?サイド/バック合板とは言え、それなりにローズの音をしていると思いますが・・・。
まず、 生音をマイク録音 したものです。指弾きです。(mp3:約1.6MB)
次が、 生音とピエゾ です。バックのアルペジオは生音で指弾き、capo7です。リードはピエゾでピックを使っています。PR-500のイコライザは、TrebleとBassを+15にMidを-15に設定してます。いわゆるピエゾっぽいビギビギした感じにしてみました。(mp3:約1.3MB)
半年位張りっ放しの古い弦を使用していますので、今ひとつヌケがよくないかも知れませんが、どうでしょう?サイド/バック合板とは言え、それなりにローズの音をしていると思いますが・・・。
K.Yairi YW-500R #3 ― 2007年09月13日
今回は、YW-500Rの内部をご覧いただきます。デジカメのおかげで簡単に内部潜入できますね。
まずは、あまり見たことが無いと思いますが、サイド材であるローズウッド合板の断面です。プリアンプ取付口から見たものです。(もう片方のローズは隠れて見えていません)
合板は、ローズであれば「ローズ-異なる材-ローズ」というラミネートが普通だと思いますが、写真のように、ローズウッドは0.5mm位の薄さです。ここまで薄く裁断するのも結構大変だと思うのですが、木工技術の発達でできるのですね。むしろ、個人工房では合板自体を作ることが難しいと言います。ヤイリは、外部の製材工場にてラミネートしてもらっているそうです。
真ん中の材は、材の入手量などの理由で、昔はブナ、その後メイプル、現在はラワンということです。以前の書き込みで、樺を使用しているとのことでしたが、正しくは上記のようなものだそうです。ヤイリギターに再度確認いたしました。私の、このYW500Rの時期はブナかと思われます。
ブレイシングは、Xブレイスで、ノンスキャロップです。トラディショナルなものだと思います。フォワードシフトなのかどうなのか、測定していないので分かりません。このブレイスも、ネック同様手削りです。
ブリッジのつき板は何でしょう?マホガニーかな?高級機になるとローズウッドやハカランダが使われていますね。ローズウッドの方が音が締まるというようなことが言われていますが、比較したことが無いので私には分かりません。
・・・と思い、これまたヤイリに確認しましたところ、現在の機種ではメイプルを使用しているそうです。ローズの入手が難しくなっているので、同じような音にする材として、メイプルが良いらしく使用しているとのことです。
私のYW500Rもメイプルのようですが、木目はマホみたいですけどねぇ。
また、ブリッジのつき板で音は明らかに変わるそうです。どれ位変わるのか体感してみたいですねぇ。
その下の写真は、ボディ右下サイド、ピックアップのジャック取付部です。プリアンプ取付けで切り抜いたサイド材を使用してるのか分かりませんが、 補強されているのが分かります。
ブレイスの膠(にかわ)が随分豪快に塗られています。この辺がローエンドモデル?
加工前の合板を持たせてもらった事がありますが、意外と柔らかいのに驚きました。もっとも、大きいままでしたのでそう感じましたが、ギターに使用するサイズに裁断した状態では、しっかりしたものでした。 これを、曲げ加工や補強を施すことで、よりしっかりするのですね。
下の写真。右側がネックブロックです。細かいところですが、切り込みや仕上げが雑なのは仕方ないところか・・・。
押印されている番号は、和暦での製造番号なのかな?現行機は、ここにヤイリのマークが刻印されていると思います。
奥から突き出ているのはネック部分。これを見ると、ネックとボディの接合で力が加わっているのはヒール部分と、このネックブロックであることが良く分かります。
左側が、指板部分を真下から見た画像です。指板が隙間から見えます。穴が開いているのがサウンドホールですね。ヤイリのトラスロッドはサウンドホールから回す方式になっています。金属部がそれです。
内部まで見ると、どの辺でコストを抑えているかが分かりますね。各部の仕上げや使っている材に違いがあるように思います。もう一本ある、オールソリッドのDY28-12は少し様子が違います。こちらは後日紹介しますね。
まずは、あまり見たことが無いと思いますが、サイド材であるローズウッド合板の断面です。プリアンプ取付口から見たものです。(もう片方のローズは隠れて見えていません)
合板は、ローズであれば「ローズ-異なる材-ローズ」というラミネートが普通だと思いますが、写真のように、ローズウッドは0.5mm位の薄さです。ここまで薄く裁断するのも結構大変だと思うのですが、木工技術の発達でできるのですね。むしろ、個人工房では合板自体を作ることが難しいと言います。ヤイリは、外部の製材工場にてラミネートしてもらっているそうです。
真ん中の材は、材の入手量などの理由で、昔はブナ、その後メイプル、現在はラワンということです。以前の書き込みで、樺を使用しているとのことでしたが、正しくは上記のようなものだそうです。ヤイリギターに再度確認いたしました。私の、このYW500Rの時期はブナかと思われます。
ブレイシングは、Xブレイスで、ノンスキャロップです。トラディショナルなものだと思います。フォワードシフトなのかどうなのか、測定していないので分かりません。このブレイスも、ネック同様手削りです。
ブリッジのつき板は何でしょう?マホガニーかな?高級機になるとローズウッドやハカランダが使われていますね。ローズウッドの方が音が締まるというようなことが言われていますが、比較したことが無いので私には分かりません。
・・・と思い、これまたヤイリに確認しましたところ、現在の機種ではメイプルを使用しているそうです。ローズの入手が難しくなっているので、同じような音にする材として、メイプルが良いらしく使用しているとのことです。
私のYW500Rもメイプルのようですが、木目はマホみたいですけどねぇ。
また、ブリッジのつき板で音は明らかに変わるそうです。どれ位変わるのか体感してみたいですねぇ。
その下の写真は、ボディ右下サイド、ピックアップのジャック取付部です。プリアンプ取付けで切り抜いたサイド材を使用してるのか分かりませんが、 補強されているのが分かります。
ブレイスの膠(にかわ)が随分豪快に塗られています。この辺がローエンドモデル?
加工前の合板を持たせてもらった事がありますが、意外と柔らかいのに驚きました。もっとも、大きいままでしたのでそう感じましたが、ギターに使用するサイズに裁断した状態では、しっかりしたものでした。 これを、曲げ加工や補強を施すことで、よりしっかりするのですね。
下の写真。右側がネックブロックです。細かいところですが、切り込みや仕上げが雑なのは仕方ないところか・・・。
押印されている番号は、和暦での製造番号なのかな?現行機は、ここにヤイリのマークが刻印されていると思います。
奥から突き出ているのはネック部分。これを見ると、ネックとボディの接合で力が加わっているのはヒール部分と、このネックブロックであることが良く分かります。
左側が、指板部分を真下から見た画像です。指板が隙間から見えます。穴が開いているのがサウンドホールですね。ヤイリのトラスロッドはサウンドホールから回す方式になっています。金属部がそれです。
内部まで見ると、どの辺でコストを抑えているかが分かりますね。各部の仕上げや使っている材に違いがあるように思います。もう一本ある、オールソリッドのDY28-12は少し様子が違います。こちらは後日紹介しますね。
K.Yairi YW-500R #2 ― 2007年09月08日
YW500Rは、ヤイリギターの当時(80年位)のラインナップでは、ローエンドモデルですが、バカにはできません。実にしっかり作っています。
まずは、スペックを書いておきます。
サイズ:ドレットノート
トップ材:スプルース単板
バック材:ローズウッド合板
サイド材:ローズウッド合板
ネック:マホガニー2P
ブリッジ:エボニー
指板:エボニー
バインディング:メイプル
パーフリング:ヘリンボーン
塗装:ポリウレタン
ペグ:ヤイリオリジナル(ゴトー製)
ピックアップ:PR-500(後付け)
まぁ、標準的なものです。
今回は、外観を見てみます。
製造当時は、まだ良い材が豊富にあったということで、5万円のモデルながら良い材が使われています。買った時からですが、トップのスプルースは、光の加減で金色に輝きます。良くは分かりませんがセルロースの結晶化からくるものなのでしょうか?木目は細かいのですが均一ではありません。この辺がローエンドモデルということかな?ただ、木目が細かいだけでは良いトップ材ではなく、張りが無いと良く響かないそうです。これは製品になってからでは分かりにくいですよね。塗装はウレタンですが、ややアメ色に着色されています。面白いことに、ウレタンでも色の変化はあるのですね。もっとも、板自身の色の変化でしょうけど。
バインディングは、メイプルです。残念ながらトラ目ではありませんが(当たり前か)、このアイボリー色のバインデイングで非常に渋い雰囲気を出してい ます。ロゼットもヘリンボーンが入っています。考えてみると、このギターのボディは、ピックガード以外全て木なんですよね。今作ったらいくらになることやら・・・。残念ながら、現行のYW-500Rはセルバインディングになっているようですので、この時期のものは貴重だと思います。
ブリッジはご覧のように、浮くことも無く密着しています。ヤイリギターはネックのジョイント以外は 全て接着剤に「ニカワ」(動物の皮革や骨髄から作られる強力な糊)を使用しています。木の繊維に入り込み、互いを引き寄せ固着 する非常に強いものだそうです。また、熱を加えれば剥がれるので、たとえば指板を張り替えるなんて時は、アイロンをかければ簡単に剥がれるそうです。何とも合理的な先人の知恵です。
次は、ネック周りを見てみましょう。
ネックはダブテイル方式で接合されています。写真では分かりにくいですが、ヒール部分で分割接合されている2Pネックです。資源の有効利用から、この方法が良いのかもしれませんが、やっぱり、1Pネックの方が高級感があるのは否めませんな。
ネックは手削りです。ヤイリギターは今も、全ての機種をハンドメイドで作っています。当然ネックも全て手削りです。(音来、奏生は方法が違うと思います)
79年当時のモデルは、ミディアムゲージの使用も可能となっているため、現行機種に比べ少々厚いネックですが、 握りやすいので違和感はありません。厚いと言っても薄いネックの部類に入る握りの感じです。現行機種はライトゲージの仕様ですので、オベーションのように益々薄くなっていますね。先日ヤイリギターを訪問した際に教えてもらいました。
指板とボディの接合部です。フレットの末端部分も手に引っかからないようにしっかりヤスリの処理がされているのが分かります。大量生産品では、一応角度が付いているもののフレットは切りっぱなしのもので、手に引っかかるんですよね。この辺に違いがあるんですよ!こういった細かい配慮をしっかりやっているんです。ヤイリは。
後付けでピエゾピックアップを付けています。生音への影響は殆ど分かりません。このピックアップは各弦別々のサドルで拾います。素子は一体なので、アダマスのようにステレオにはなりません。プリアンプが、アルバレスのPR-500。イコライザの効き方がエグいです。とてもクリアな音を出しますね。大音量のバンドでも埋もれません。
取り付け時に誤ったのか、3弦と4弦の間のブリッジの削りが変ですよね。ご愛嬌です。
その他、各部の写真を載せておきます。さて、次回は、内部の様子をお見せします。
まずは、スペックを書いておきます。
サイズ:ドレットノート
トップ材:スプルース単板
バック材:ローズウッド合板
サイド材:ローズウッド合板
ネック:マホガニー2P
ブリッジ:エボニー
指板:エボニー
バインディング:メイプル
パーフリング:ヘリンボーン
塗装:ポリウレタン
ペグ:ヤイリオリジナル(ゴトー製)
ピックアップ:PR-500(後付け)
まぁ、標準的なものです。
今回は、外観を見てみます。
製造当時は、まだ良い材が豊富にあったということで、5万円のモデルながら良い材が使われています。買った時からですが、トップのスプルースは、光の加減で金色に輝きます。良くは分かりませんがセルロースの結晶化からくるものなのでしょうか?木目は細かいのですが均一ではありません。この辺がローエンドモデルということかな?ただ、木目が細かいだけでは良いトップ材ではなく、張りが無いと良く響かないそうです。これは製品になってからでは分かりにくいですよね。塗装はウレタンですが、ややアメ色に着色されています。面白いことに、ウレタンでも色の変化はあるのですね。もっとも、板自身の色の変化でしょうけど。
バインディングは、メイプルです。残念ながらトラ目ではありませんが(当たり前か)、このアイボリー色のバインデイングで非常に渋い雰囲気を出してい ます。ロゼットもヘリンボーンが入っています。考えてみると、このギターのボディは、ピックガード以外全て木なんですよね。今作ったらいくらになることやら・・・。残念ながら、現行のYW-500Rはセルバインディングになっているようですので、この時期のものは貴重だと思います。
ブリッジはご覧のように、浮くことも無く密着しています。ヤイリギターはネックのジョイント以外は 全て接着剤に「ニカワ」(動物の皮革や骨髄から作られる強力な糊)を使用しています。木の繊維に入り込み、互いを引き寄せ固着 する非常に強いものだそうです。また、熱を加えれば剥がれるので、たとえば指板を張り替えるなんて時は、アイロンをかければ簡単に剥がれるそうです。何とも合理的な先人の知恵です。
次は、ネック周りを見てみましょう。
ネックはダブテイル方式で接合されています。写真では分かりにくいですが、ヒール部分で分割接合されている2Pネックです。資源の有効利用から、この方法が良いのかもしれませんが、やっぱり、1Pネックの方が高級感があるのは否めませんな。
ネックは手削りです。ヤイリギターは今も、全ての機種をハンドメイドで作っています。当然ネックも全て手削りです。(音来、奏生は方法が違うと思います)
79年当時のモデルは、ミディアムゲージの使用も可能となっているため、現行機種に比べ少々厚いネックですが、 握りやすいので違和感はありません。厚いと言っても薄いネックの部類に入る握りの感じです。現行機種はライトゲージの仕様ですので、オベーションのように益々薄くなっていますね。先日ヤイリギターを訪問した際に教えてもらいました。
指板とボディの接合部です。フレットの末端部分も手に引っかからないようにしっかりヤスリの処理がされているのが分かります。大量生産品では、一応角度が付いているもののフレットは切りっぱなしのもので、手に引っかかるんですよね。この辺に違いがあるんですよ!こういった細かい配慮をしっかりやっているんです。ヤイリは。
後付けでピエゾピックアップを付けています。生音への影響は殆ど分かりません。このピックアップは各弦別々のサドルで拾います。素子は一体なので、アダマスのようにステレオにはなりません。プリアンプが、アルバレスのPR-500。イコライザの効き方がエグいです。とてもクリアな音を出しますね。大音量のバンドでも埋もれません。
取り付け時に誤ったのか、3弦と4弦の間のブリッジの削りが変ですよね。ご愛嬌です。
その他、各部の写真を載せておきます。さて、次回は、内部の様子をお見せします。
K.Yairi YW-500R #1 ― 2007年09月07日
高校時代にイトーヨーカ堂の店頭で、たこ焼きやポップコーンを売るバイトで貯めた金で買った、79年製のK.Yairi YW-500R。どことなくたこ焼きソースの香りがするかな?
当時のメーカーのレギュラーモデルの多くは、型番ってそのまま定価でしたよね。このYW-500Rも、当時の定価が5万円でした(現行は105,000円)。ケース別売りだったので、実売はケース込みで4万円台中盤位で購入したように思います。
当時は、アコギメーカーもいくつかあって、中でも、YAMAHA、MORRIS、S-YAIRI、東海(キャッツアイ)、そしてK.Yairiのカタログをかき集め、結局、オールハンドメイドであることと、当時のアカ抜けないカタログに付いてきた冊子が、アコギの作りや材の重要性、扱いの基礎などを教えてくれる目からウロコの内容であったこと。そして、実際に弾き比べて弾きやすいし、はっきりした音を出すことが決め手となって、K.Yairi(以降、ヤイリギター)から選ぶことにしたのです。
何度か御茶ノ水に通い出会ったのが、YW-500R。ヘリンボーンのD-28コピーモデルのような風貌だけど、ボディバインディングはメイプル。トップはソリッドスプルース。サイド/バックはローズの合板。ネックはマホ。ブリッジとフィンガーボードはエボニー。何より、渋い見た目と、弾きやすいネック、良く通る比較的硬めの音が決め手となって購入。
以来、28年。殆ど弦は緩めることなく保管していますが、ネックの反りなどの致命的なトラブルは発生していません。ピックガードが剥がれてパフパフになったので、張り替えを96年頃にしまして、同時にピックアップも付けました。その後、3,4弦が微妙にビビるようになったので、ヤイリギターに相談し、04年にナットを交換。06年にフレットの擦り合わせを実施。
いずれもヤイリギターに送ったり、持ち込んだりしてリペアしていただきましたが、ここで驚きは、ヤイリギターの永久保証システム。上記のリペアでそれなりのお金を支払ったのはピックアップ取り付けのみ。他は、送料の負担はこっちだけど、材料費ぐらいで非常に微々たる物でした。まぁ、程度によりバラつきはあるようですが、基本的にこんなコストで良いの?という良心的な値段でリペアしていただけます。それも、細かい部分で確認が必要となれば、直接職人さんが電話して来てくれますので非常に安心して預けられます。但し自社製品のみです。当然、他社製は数倍以上のリペア費用がかかるようです。
多分、世界中捜しても、こんなアフターをしてくれるメーカーは無いでしょう。
ヤイリギターに工場見学に行った際、ちょっとだけ社長である矢入一男氏と話をさせていただくチャンスができて、「良いギターは永く使ってこそ、その良さが分かってくる。だから丈夫であることは重要。ウチのギターは伝統的な技術で職人が一本一本作っている。孫の代それ以上でも使えるぞ!わっはっは!(※明るい方なんです。)でも、永く使えば調子の悪くなることもあるから、リペアしながら永く使えるようにしてる。」というような内容のお話をしてくれました。売りっぱなしではないんです。その後も責任を持つということなんです。直感的にイイと思って付き合いだしたヤイリギターですが、その変わらぬ姿勢はユーザーにとっては感動モノです。
う~ん。ヤイリギターネタになってしまいました。YW-500Rの細部については次回、ご紹介しますね。
当時のメーカーのレギュラーモデルの多くは、型番ってそのまま定価でしたよね。このYW-500Rも、当時の定価が5万円でした(現行は105,000円)。ケース別売りだったので、実売はケース込みで4万円台中盤位で購入したように思います。
当時は、アコギメーカーもいくつかあって、中でも、YAMAHA、MORRIS、S-YAIRI、東海(キャッツアイ)、そしてK.Yairiのカタログをかき集め、結局、オールハンドメイドであることと、当時のアカ抜けないカタログに付いてきた冊子が、アコギの作りや材の重要性、扱いの基礎などを教えてくれる目からウロコの内容であったこと。そして、実際に弾き比べて弾きやすいし、はっきりした音を出すことが決め手となって、K.Yairi(以降、ヤイリギター)から選ぶことにしたのです。
何度か御茶ノ水に通い出会ったのが、YW-500R。ヘリンボーンのD-28コピーモデルのような風貌だけど、ボディバインディングはメイプル。トップはソリッドスプルース。サイド/バックはローズの合板。ネックはマホ。ブリッジとフィンガーボードはエボニー。何より、渋い見た目と、弾きやすいネック、良く通る比較的硬めの音が決め手となって購入。
以来、28年。殆ど弦は緩めることなく保管していますが、ネックの反りなどの致命的なトラブルは発生していません。ピックガードが剥がれてパフパフになったので、張り替えを96年頃にしまして、同時にピックアップも付けました。その後、3,4弦が微妙にビビるようになったので、ヤイリギターに相談し、04年にナットを交換。06年にフレットの擦り合わせを実施。
いずれもヤイリギターに送ったり、持ち込んだりしてリペアしていただきましたが、ここで驚きは、ヤイリギターの永久保証システム。上記のリペアでそれなりのお金を支払ったのはピックアップ取り付けのみ。他は、送料の負担はこっちだけど、材料費ぐらいで非常に微々たる物でした。まぁ、程度によりバラつきはあるようですが、基本的にこんなコストで良いの?という良心的な値段でリペアしていただけます。それも、細かい部分で確認が必要となれば、直接職人さんが電話して来てくれますので非常に安心して預けられます。但し自社製品のみです。当然、他社製は数倍以上のリペア費用がかかるようです。
多分、世界中捜しても、こんなアフターをしてくれるメーカーは無いでしょう。
ヤイリギターに工場見学に行った際、ちょっとだけ社長である矢入一男氏と話をさせていただくチャンスができて、「良いギターは永く使ってこそ、その良さが分かってくる。だから丈夫であることは重要。ウチのギターは伝統的な技術で職人が一本一本作っている。孫の代それ以上でも使えるぞ!わっはっは!(※明るい方なんです。)でも、永く使えば調子の悪くなることもあるから、リペアしながら永く使えるようにしてる。」というような内容のお話をしてくれました。売りっぱなしではないんです。その後も責任を持つということなんです。直感的にイイと思って付き合いだしたヤイリギターですが、その変わらぬ姿勢はユーザーにとっては感動モノです。
う~ん。ヤイリギターネタになってしまいました。YW-500Rの細部については次回、ご紹介しますね。
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