Ovation 1763 の音2008年01月19日

いや~レコーディングに時間を要しました。
この曲がやりたくて、1763を買ったようなものです。ファンの方すみません。予め謝っておきます。PatMetheny Groupの「Farmer's Trust」です。
フルコーラスだと6分位になってしまうので、テーマ部分とエンディングで3分に収めました。
シンセのPadの音は私の所有機種ではライルメイズの音が作れませんでした。さすがにOberheimをWAVESTATIONで作るのは時間が掛かりそうです。SY85は始めから期待してませんので・・・。それっぽくしてありますが、耳コピーなのでテンション感が怪しい部分もあります。
1763の音は張りのある感じに作りました。聴いてやってください。
なんちゃって「Farmer's Trust」。(mp3:約2.8MB)


→1763の外観の様子は、こちら
→1763の内部の様子は、こちら

使用器材を書いておきます。もう10年以上前のものばかりです。
ギターとブラシワーク以外はCubaseLEのシーケンサでリアルタイム録音し、マルチトラックでそれぞれのパートをオーディオ録音し、生録したのとミックスダウンしています。 RM50のシンバルがリアルさに欠けるので控えめにしています。この頃のドラム音源はシンバル系が弱いです。ライドは特にメーカー毎のWAVEが欲しいところです。

<ギターエフェクト>
・YAMAHA FX770
<スネアドラム>
・Ludwig LM411
※ブラシは実際に私が叩いてます。
<シンセ>
・KORG WAVESTATION A/D
・YAMAHA SY85
・ENSONIQ KS32
<ドラム音源>
・YAMAHA RM50
<エフェクター>
・KAWAI RV-4
・dbx 563X
・dbx 166
・BBE 462
<ミキサー>
・MACKIE 1202

Ovation 1763 #22007年12月15日

ダブルファンブレイス さて、1763の内部潜入です。

→外観の様子は、こちら
→音も録ってみましたこちら

普通のギターとは構造が違うので、どのようになっているのか見てみたいところです。まずは、ブレイシングです。クラッシックギターですので、通常はファンブレイシングが基本となりますが、オベーションの場合は、独自のダブルファンブレイス。右の写真は手前がサウンドホール側。ご覧のように横に走っている力木の前後に分割されて扇状に力木が配置されているのが分かります。通常のファンブレイスは分割されていません。横に走っている部分がちょうどブリッジの部分で、弦の張力をここで受けているようですね。ブリッジ部分の付き板は無く、この横に走る力木が振動も受け表板に伝達させる役目も果たしているようです。
トップ接合部 別に見えない所ですので構わないのでしょうが、もう少し力木に仕上げを施してもらいたいものです。バリが出たままです。軽くペーパーかけたくなりますねぇ。

オベーションはこれまでXブレイシングではなく、レジェンドのようにサウンドホールが中央にあるスティール弦モデルには「Aブレイス」、アダマスやエリートのように肩にサウンドホールがあるモデルは「クインタッドブレイス」を採用してきて、あの歯切れのある生音とサスティンを生み出していたと言われています。 2004年に発表された「LXシリーズ」は、スキャロップの入ったXブレイスが採用されています。どんな生音になったのか試してみたいものです。
中尾貿易のホームページにあるカタログなどで形は確認できます。探すのが大変かも知れませんが・・。

トップ接合部ネックブロック脇 1763に戻りましょう。
ずっと気になっていたのが、ボディとトップの接合。
今回始めて見たのですが、いや~こってりボンドが塗ってあります。ライニングも成型されているものだと思っていましたが、生写真を拡大してよ~く見てみると後から貼り付けたような仕上げになっているような・・・。ギザギザした部分はどのような加工の後なのか良く分からないです。ここも見えない所ですからいいのかも知れませんが、も少し丁寧な作りをしてもらいたいところです。決して安い機種ではないのですから・・・。まぁ、オベーションは本国での中古市場ではかなり安値に落ちてしまいます。材もさることながら、こういった部分も関係してくるのかな?

ブリッジ 続いては、サドル部分です。
ウォルナットのブリッジに幅広のサドル。オベーションの顔的な組み合わせですよね。ご覧のように、サドルとピエゾ部分は一体モノです。両脇のピンを抜くと外す事ができます。一体ですので、弦高の調整はサドルを削ることはチョット無理です。
そうなんです!スペーサーが4枚付いてきてまして、これを挟む枚数で調整していきます。買った時、異様に弦高が高くて弾きにくかったのですが、取説を見ていたらスペーサーの説明があって、これで弦高調整するのだと分かりました。今は2枚入れてあります。
ピックアップ裏 スペーサー サドル外し










ヤイリのように丁寧な作りではありませんが、楽器としてのポテンシャルは高いです。同じピエゾでもオベーションはやはり独特の音です。 そう考えると、オベーションはギターではあるけれど、独立した別の楽器として捉えるのが正しいかも知れませんね。

Ovation 1763 #12007年12月09日

1763 BACK 1763 TOP 所蔵ギター最後の登場は、Ovation 1763 Classic。

→内部の様子は、こちら
→音も録ってみましたこちら

まぁコピーじゃない、いわゆる「ホンモノ」ということになりますか・・・。エレガットが欲しくなり、いろいろ迷ったのですが、PatMethenyが同機種を使っていたこともあり、Ovationで決めました。94年に購入しましたが、シリアルから93年製です。この頃は超円高でして、$1=\96位だったでしょうか。個人輸入にハマっていたので、USAから直輸入しました。あの有名なNYにあるMandolin Brothersにて購入。$1,062だったと思います。これにUPSの保険込みの送料が$200位。成田の税関で\4000位請求されたような記憶があります。日本円換算しても、国内の実売より\40,000位安かったと思います。当然国内の保証は無いんですけどね。

スペックは以下の通り。

1763 TOP タイプ:Deep Bowl Cutaway
トップ材:AAAグレード セダー単板
ボディ材:Lyrachord(リラコード)
ネック:マホガニー/メイプル5P
ブリッジ:ウォルナット
指板:エボニー
バインディング:プラスティック白黒マルチ
塗装:表面ラッカー
ペグ:シャラー24金メッキ

今回は外観です。
AAAグレードのセダーだけあり、横縞も多くコシのありそうな板であることが見られます。光の加減でキラキラ輝きます。とても綺麗な表板ですね。見ていて飽きません。塗装はラッカーですが目止めが完全でなく、所々細かいくぼみがあります。ちょっと残念ですね。
1763 DeepBowl ボディはオベーションですのでラウンドバックボディ。1763はディープボウルです。どうも現行のラインナップには1763は無くなったようで、ミッドデプスボウルの1773LXがこれに代わる存在でしょうか・・・。スーパーシャロウの1863は健在です。
材質はリラコードと呼ばれるグラスファイバー。厚みが1.09mmしかないそうです。オベーションの設計思想には、ギターを鳴らすには音を増幅し響かせること。それには胴材の厚みを薄くし、良く振動させるということが望ましいと。しかし、木板では薄くすると強度に問題がある。そこで、ヘリコプター製造会社であったオベーション生みの親「カーマン社」の翼の技術を応用してリラコードが生まれたそうです。
1763 ウォルナットのブリッジ 確かにお腹への振動の伝わりは大変大きいですし、ナイロンでありながら、結構大きな音がします。これには、ボディが丸いラウンドバックの効果もあるようです。

さて、外観に戻ります。ブリッジはウォルナットですが、どうなんでしょう・・。エボニーなんかと比べると柔らかいので、弦を結わえてある部分が割れるんじゃないかといつもビクビクしてるんですが、そんなトラブルは聞いたことが無いので大丈夫なのでしょう。音響的にはどうなんでしょう?オベーションの生音は堅い印象があるので、それを和らげる効果とかあるんでしょうか?

1763 ヒール 次にヒール部分です。ネックの接合方法がイマイチ分かりません。ボルトらしんですが、内部からそのボルトが見えないんです(内部は次回のレポートで)。ネックはオベーションらしく薄いネックで非常に弾き易いです。もちろんクラシックなので 幅はありますが。ネックはサラサラのサテン塗装です。写真はオレンジオイルを塗った直後なのでツヤツヤしてますが、実際はもっとくすんでいます。
フィンガーボードはエボニーですが、あまり良くないです。塗装されているような色ムラがあります。フレットはエッジが深く角度が付いていますので、手に引っかからず良好です。よく気配りされてます。
1763 フィンガーボード 弾き易さではオベーションはネックの薄さからダントツでしょう。しかし、ネックの強度という面ではどうでしょう?私の1763固有なのかも知れませんが、購入から1年目で順反りしてしまい、何とかトラスロッドの調整ギリギリでほぼ真っ直ぐを保っています。ネックにはダイキャストの芯が大きく入っているはずですが、ちょっとガッカリでした。

肝心の音ですが、生音は大きいのですがちょっと冷たい音です。サスティンも結構あります。大きく響いているという意味では「鳴って」はいるのでしょうが、良い音か?と聞かれたら「ウ~ン」と唸ってしまいます。
1763 OP-24 まぁ、エレガットなのですからピックアップの音で勝負です。プリアンプのOP-24は非常にノイズが少ないですし、素直な出音だと思います。トレブル上げると、往年のジョン・マクラフリンサウンドが出せますし(あのビキビキ)、ウォームな音はまさにメセニーです。

次回は、恒例の内部潜入です。ショッキングな画像がぁ・・・。

その他の画像もアップしておきます。
シャラーのペグにある「Made in W.Germany」という刻印が歴史を感じさせます。ベルリンの壁崩壊~東西ドイツ統一の時期とは若干ズレがありますが・・・。現行は「Made in Germany」です。

1763 ヘッド後ろ 1763 ヘッド正面 1763 シャラー製ペグ














1763 ネックジョイント 1763 バインディング 1763 ナット









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