Silje Nergaard ~ Unclouded2012年08月19日

Silje Nergaardの新譜です。
リリースされてから4ヶ月位経ってますけど、未だに飽きずに聴き続けています(汗)
前々作の「Thousand True Stories 」がグラミーノミネートまで行って、どんな新譜を出すか楽しみでしたが、前作がクリスマスソングのアルバムだったので買いもしなかったですが、今回のアルバムは、やってくれました!イイです!
「Thousand True Stories」或いはその前から重厚なストリングスを取り入れた、ちょっと他には無いJazzを聴かせてくれましたが、この「Unclouded」は、基本アコギ2本です。非常にシンプルな構成ですが、楽曲が良いので、聴けば聴くほど引き込まれる感じです。一言で言えば「癒されるアルバム」です。
1曲目「All I Had」。「Unclouded」というアルバムタイトルにふさわしい爽やかさを感じますし、このアルバムのサウンドを示唆する曲です。2曲目「Norwegian Boatsong」。何故、インド音楽風なアレンジなのかは不明ですが、デュエットしている、Kim Andre Rysstadのヴォーカル結構好きです。3曲目「God's Mistakes」。ギターソロでJohn Scofieldが弾いてます。まぁ、そんなもんかな?ってプレイですが、ジョンスコのイメージって、335っぽいちょい歪んだ音なんですが、ナチュラルな音出してます。4曲目「The Moon's A Harsh Mistress」。やばいっすね。仕事帰りの電車の中でクールダウンするには最高です。丁寧なセリアのヴォーカルが心に沁みます。また上手くなったなぁ~。ギター2本だけですが、このアレンジもまた良い。判ってらっしゃるっていうプレィです。5曲目「Ordinary Sadness」。ここ数年の彼女の曲の中では、No.1じゃないのかなぁ?セリアらしい曲です。文句なしです。気持ちイイ。このメロディに体を委ねてください。
他の曲も捨て曲はありません。落ち着きたい時に聴くには本当にお勧めな1枚です。

バックの2名のアコギは、Håvar Bendiksen、Hallgrim Bratberg。共にセリアと同じノルウェーのミュージシャンかな?マイク録りです。微妙なフィンガリングの音も拾ってます。ナチュラルな録音です。イイです。 Hallgrim Bratbergの鉄弦ギターは、ラリビーです。Håvar Bendiksenはライヴでは、ボロボロに使い込んだヤイリのWY1を使ってますね。共に抑制の効いた上手いギタリストです!

Youtubeに音源がありましたので、リンクしておきます。このアルバム5曲目です。

PAT METHENY with LARRY GRENADIER2012年01月29日

「An Evening with PAT METHENY with LARRY GRENADIER」行って来ました!ブルーノート東京。1月28日の1st。
PAT METHENY with LARRY GRENADIER

自由席なので、いつものごとく整理券を配布するだろうから、早めに並びました。今回は1桁目標!それは、間近で観るため!で、AM11:10現地着。既に5組ほど並んでいる・・・はやっ!因みに開演は18:00!(笑)
6番ゲット!
PAT METHENY with LARRY GRENADIER

Pat側最前列。モニターのまん前ですが、近い近い!

さて、内容ですが、今回は、PatとベースのLARRY GRENADIERのデュオ。
1曲目。何と「天空の城ラピュタ」の「君をのせて」をバリトンでソロ。あらら、あなたもこの曲好きなのね・・・1曲目から琴線捕らえるねぇ。2曲目。「So May It Secretly Begin」。この曲も好きなナンバー・・・やってくれます!取り敢えずこの2曲聴ければ「よし!」とする!
懐かしい曲「Bright Size Life」が3曲目。思わず「懐かし!」と呟いてしまいます。
全9曲?90分くらいでしたね。ピカソの音が聴けなかったのが残念でした。ご一緒したkanaさん夫妻も同じ印象。なので不完全燃焼かな?

モニターの前の席というか、モニターとくっついて聴く感じでしたので、モニターに手を当てて、その振動も味わっていました。Patの音をダイレクトに感じられて、これはブルーノートでないと体感できないです。それもあの席でしか・・・これは良かった!

ステージ袖がギターブースになっていて、ピカソやらバリトンやら並んでました。まじまじ見ました。アコギはリンダ・マンザーですが、バリトンのトップは薄い板で作ってありました。ブレイスが浮き出ている感じ。さぞや鳴るんでしょうね。ナイロンは、トップに3本クラックが入って、ウエザーチェックも入って、百戦錬磨な顔をしてました。ナイロンはいい音出してたなぁ・・・。

次回はどんなユニットで来日かな?そろそろグループ名義のアルバム出してもいいんじゃない?

web予約限定で、ピンバッチをもらいました。ピカソギターのピンバッチです。どこに着けようかな?
PAT METHENY with LARRY GRENADIER

次回も行くぞ!




懐かしの「LIVE UNDER THE SKY」2012年01月08日

年明けに実家に行った際に、懐かしいモノを見つけました。
もう20年前なのですね。40歳後半以降の方は、行った方もいると思います。Slect 及びMILD SEVEN LIVE UNDER THE SKY!
詳しくは、WiKiしてみてください。
ライブアンダーザスカイ

バブル期丸出しの真夏の屋外ライブ。超一流と言われるJazzミュージシャンの非常に贅沢なライブが7月の最終土日でやっていた時代があったのです。その時貰うバッグとグッズを保管してあったのを思い出したのです。早速、中を確認すると、ほぼそのままの状態でした。懐かしい!
ライブアンダーザスカイ


私は、東京は「よみうりランド EAST」に参加してました。あぁ、初めて行ったのは、'81年の田園コロシアムか・・・サンタナを観に行ったなぁ・・・高校生だったなぁ。
まぁ、とにかく面子が凄いので、生で聴ける観られるのが夢のようでした。毎年行ってましたねぇ・・・。

ちょっと長いページになりますが手元にあったものを見てみましょう。行った事がある方は懐かしいと思います!
1986

1986年。覚えているのが、チックコリア・エレクトリックバンドですね。まだ若かったデイブ・ウェックルのバラード曲でも手数の多いドラミングに煩い!と叫んでしまいそうになった思い出があります。ジョン・パティテゥーチのベースは良かった!グッズは入ってませんでした。


さて、お次に出てきたのが、88年。この年は、マイルスですよ!
1988

1988

マイルスが演奏する日、直前に激しい雷雨があって、開演が遅れました。業を煮やした観客のブーイングを抑えるために、スタッフがステージから、ライターのキャンドルを灯そう!と・・・。カウントダウンと共に小さな火がいくつも灯されたEASTの夕暮れの光景が目に浮かびます。

・・・っと、改めて調べましたら、この事件は87年だったようです。確かGADD GANGも観たよな~と。記憶をたどりながら調べたら、それは87年。
1988

グッズはそのまま残ってました。ステッカーとタバコです。JTの主催だったので、必ずタバコが入ってました。それもライブアンダーザスカイ仕様なのです。Select LIVE UNDER THE SKYのSelectはタバコの商品名なのです。最終の92年はMILD SEVENが頭に付きました。



続いては、90年。バッグの作りが良くなったように思います。
1990

1990

この時のステッカーは、ドラムのケースに貼っちゃってますね。チラシが出てきました。
1990

裏面は、こんな感じで・・・。クリックすると拡大します。オマー・ハキムがやたら若い!
1990

1990

この時は、パット・メセニーが目当てでしたね。ジャック・ディジョネットのドラムのパワーは凄かった。ハービーのソロピアノもパワフルだった印象があります。贅沢な面子ですよ。


そして、アル・ジャロウ・・・これはもはや伝説のステージ・・・ガッドが元気だった頃のソロも聴けました。


お次が91年。この年は、何と行ってもミルトン・ナシメントです。
まさか、生で観られるとは思っていなかった・・・
1991

1991

グッズはそっくり残ってました。

1991

タバコのパッケージの裏はこんなデザイン。
1991

そして、このセッションも凄かった。ハービー、ショーター、スタンリー・クラークにオマー・ハキム



最後が92年。15周年でしたが、結局この後JTの方針転換で最後の開催となったのです。で、やっと、パットメセニーグループがこのステージにやってきたのでした。この年は、MILD SEVEN LIVE UNDER…という名称になりました。
バッグは二重構造で、一番の造りです。
1992

1992

サンバイザーが入ってましたね。
1992

携帯灰皿も、ライブアンダー仕様です。
1992



マーカスミラー、ディビット・サンボーンも盛り上がりました。最後の出番だったので、酒もまわってましたし・・・



いや、イイ時代でした。今は東京JAZZで、LIVE UNDER・・・ 常連だった方達の雄姿を観る事ができていますが、やはり老いは否めません。それにLIVE UNDER・・・は野外でしたし、屋台もあったし、酒など持込できましたので、お祭りそのものでした。復活して欲しいけど無理なんでしょうね。

おっと、最後にチケットの半券が出てきました。残っているものだけですが。
チケット





J.BOY2011年06月17日

ウチの嫁は、30年来の浜田省吾ファンです。結婚する前から浜省は聴かされてきたのですが、実は私も好きになっていきました。まぁ、熱烈なファンまでは行かないけど、その歌詞には惹かれるものがあります。

もう10年以上前にリリースされた「J.BOY」。浜省の数あるアルバムの中でもインパクトのある音でまとまった好きなアルバムです。
久しぶりにアルバムタイトルである「J.BOY」が聴きたくなって・・・

・・・・・
J.BOY 頼りなく豊かなこの国に
J.BOY 何を賭け何を夢見よう
J.BOY I'm a J.Boy.
・・・・・
J.BOY 打ち砕け日常ってやつを
J.BOY 乗り越えろもう悲しみってやつを
J.BOY
・・・・・

あぁ、響くものがあるなぁ~。
「遠くへ-1973年・春・20才 」もイイ曲だ!

上原ひろみ ~ VOICE2011年03月31日

上原ひろみ自身のアルバムがリリースされています。「VOICE」 THE TRIO PROJECT Featuring ANTHONY JACKSON and SIMON PHILLIPS。
良い!このライブは絶対に行きたいですねぇ!
実は上原ひろみのアルバムを購入したのは始めてです。東京JAZZのレギュラーみたいな存在なので、その演奏はチェックしていたのですが、今ひとつ琴線に触れるものが無かった。確かにその演奏力の凄さやコンポーザーとしての才能は高く評価されていますが、これまでの彼女の演奏、曲共に「うたごころ」が感じにくかったのです。
真っ先にイメージしたのが、チックコリアエレクトリックバンド時代のドラマーであるデイブ・ウェックル。あの当時の彼のドラミングは、ギミックプレイは凄かったのかもしれないけど音数が多くて歌っていなかった。これまでの上原ひろみにも同じ印象を持っていました。しかし、NHK BSで放映した番組で演った「Haze」という曲を聴いて「おぉ!これは・・・」と。何とも歌っているではないですか!この曲が聴きたくてこのCDを購入したも同然です。しかし、これだけでは無く全ての曲が上手い!

そして、バックは、ベースにアンソニー・ジャクソン!Yes!AJ!大好きなベーシストです。ドラマーが現TOTOのサイモン・フィリップス。サイモン・フィリップスを持ってくるあたりが何やら怪しい気配がしますよね!
そうです。このアルバムはストレートなJazzではありません。プログレです。むしろプログレッシブロックに近いかも!ちょっとやられました!上原ひろみ凄し!面白いアルバムです。

1曲目。「Voice」その名の通りタイトルナンバー。これにmoogあたりのアナログシンセが「ギュ~ン」と入って、ハモンドが入ったらELP(Emerson,Lake&Palmer)です!2曲目。しょっぱなのシャッフルビートは、ジェフ・ポーカロの音かと思わせる。なるほど、サイモンがTOTOに起用された意味がわかる演奏です。そして7曲目。「Haze」。80年代くらいのパットメセニーを思わせる旋律でありコードのテンションであり。こういった抑制の効いたメロディも書けるのが好印象ですね。その他の曲も捨て曲は無いですね。アンソニー・ジャクソンのベースが、やや突っ込み気味のサイモンのドラムを心地よいグルーブに導いてくれています。

何故ドラムがサイモン・フィリップスであったのか、通して何度か聴くとわかってきます。どうせならヴィニー・カリウタとかデイブ・ウェックルとかの方がスリリングなプレィが聴けるのでは?と最初は思っていましたが、このアルバムはプログレなのです!シングルストロークで手数王のサイモン・フィリップスの乾いたタムの音、ツインバス、オープンスタイルのロックなドラミングが合うんです!そ~なんです!

もちろん、上原ひろみの正確無比なスピードとパワフルなピアノは凄いです!同じような印象を受けるミシェル・カミロもスピードのある、ピアノは打楽器だ!と言わんばかりのピアノを弾きますが、彼はラテンなフレーズを前面に出しているのに対して、上原ひろみは洗練されたピアノです。それもあらゆるジャンルを身に着けているような懐の深さを感じます。ヘビメタも好きだとか・・・。更にリリカルなフレーズを聴かせるようになって・・・う~ん。凄い日本人ピアニストが成長してきています。
あぁ、もっと書きたい事があるけど誰もここまで読まないか・・・この辺でやめますが、それほどやられたアルバムです。お勧めします。
あぁ、グラミーとったスタンリー・クラークの方は聴いてません。スタンリー・クラークってとんと聴いてませんが、ジョージ・デュークと組んでアレンビックのベースをでっかい手でジャラジャラコード弾きしていた印象が強くて今ひとつ聴く気になれていないのが正直なところです。もう少ししたら聴いてみるかな?今はこのトリオでお腹いっぱいです!


PAT METHENY THE ORCHESTRION JAPAN TOUR 20102010年06月13日

東京はすみだトリフォニーホールでした
行ってきました!「PAT METHENY THE ORCHESTRION JAPAN TOUR 2010」。
アンコールが確か3回のジャスト3時間のライブでした。
始めの30~40分はギターだけの演奏、マンザーのナイロンでのメドレー、バリトンでの「Make Peace」、ピカソと各1曲づつ。バリトンの音がギラギラし過ぎていて、ベースの音圧も今ひとつ・・・ホールの大きさで抑えたかな?
その後、「Mr.フィンガーシンバル」君だけのORCHESTRIONに始まり、フルオーケストレーションへと展開されました。

2月に同タイトルのCDについてコメントしていますが同じ印象です。アンコールでやった最後の2曲「Sueño con México」「Dream of the Return」が無かったら、多分怒って帰るところでした。
やはり、ドラムです。このライヴで改めて学びました。ドラムとベースは、その曲のグルーヴやダイナミズムを決定付ける重要なパートであるのだと。このブログでも記事にした、PMGのドラムがワーティコからサンチェスに代わったJapanTourで演奏された「The First Circle」のグルーヴが、全く異質なものになってしまい違和感を覚えたこと・・・
それほどまでにドラムは微妙なニュアンスを表現するのだと。

ORCHESTRIONは、MIDIインターフェイスで生楽器を鳴らします。生楽器に設置された実際に演奏するデバイスが今回の目玉の一つなのでしょう。見た感じベロシティの強弱の幅はそれほど無いように思えました。なので、シンバルレガートも単調になっているし、致命的は、ハイハットがクローズしか音が出せていない。しかも、毎曲クリックのようにオンビートでしかも大きな音でスティックで「チッチッ・・・」とやられてしまっては、グルーヴも何もあったものでは無いです。
スネアもヌケてない音で、スナッピーを効かせるチューニングなら少しは良かったかもしれません。タムのフィルも無い。「何とかならんのか!」と思われたドラマー/ベーシストの方々は多かったことと思います。フラストレーションが溜まるライヴでしたねぇ。
でも、アイバニーズのフルアコの音は大変良かった。あぁでも、何年か前からfホールにECMがマウントされていて生音も拾うようになっているんですが、アタック音とか乾いたクリアな音を拾って、それはそれで良い効果があるのですが、往年のES-175時代の音ってありますでしょ?あの頃の曲はあの頃の音で聴きたいんですよ。ECM抜きで。そんなワガママなファンもいるんです。

同行した、kanaさんの旦那と帰り道「全ての曲がのぺっとした感じでしたね・・・」と旦那さん。これが全てを言い当てているのです。
新しい試みであることは十分判っていて、見せるライヴであるということも判っているのだけど、聴かせるという面では不完全でした。リズム隊の出来は45点です。(おぉ辛口セルジオ並み!)

冒頭で書いたアンコール。最後の2曲で何とか皮一枚・・・です。
でも、「Sueño con México」をやったのは象徴的でした。初のソロアルバムであって、オーバーダブで作られた「New Chautauqua」からの曲。30年前のこの曲をORCHESTRIONで演奏するというのはある意味感慨深いですね。

随分辛口でしたが、それでもパットファンであることには変わりは無いし、ある意味?これだけ熱くしてくれる存在にいつも感謝です!

終演後の写真撮影はOKというので、大勢の撮影隊をかき分け撮ってきました!
ほぼ全景
後ろのパイプオルガンは違います。この上手側にもう一台YAMAHAのMIDIグランドがあります。右下に立てかけてあるのがアイバニーズのPM。イイ音出してました。シールドが2本出ています。マグとECM?

下手より
左右にはBOSEの L1™ Compact systemが何台か並んでました。モニター兼用でしょうか?ホールを鳴らすのは別のスピーカーですよ。当然ながら。
テクニカルエンジニアのCarolyn Chrzanさんが持っているのがマンザーのナイロン。今回の発見はバックがラウンドになっていること!以前はOvation1763がメインでした。ナイロンとラウンドバックに拘りがあるように感じます。

上手側
キャロラインさんが運んでるのが、「Sueño con México」で使ったGuildのD-35。以前はマグがマウントされていたと思うのですが、それは無く、音はトップ貼り付けのピエゾの音でした。足元の大きなペダルがムーグのペダルで、これがメインのコントローラーのように見えました。

GRなど
青いのがGR300のコントローラー。年季入ってます!1曲だけ使いました。この男性の後ろに、ラックがありまして・・・
Effects
上から、お馴染みデジテックのプリアンプ、GSP2101。t.c. electronicのM2000とおぼしきエフェクターが2台。currentとnewと書いたテープが貼ってあった。グライコ、Nady GEQ130が1台。GALLIEN-KRUEGER のベースアンプ、200RCBが1台。QSCのパワーアンプ、PLX1804が2台。と見えましたが・・・

次はグループで来てくれ!


Live at the Troubadour :James Taylor and Carole King2010年05月23日

トルバドール・リユニオン(DVD付) James Taylor and Carole Kingの「ライヴ・アット・トルバドール」がリリースされました。先月来日したツアーの、2007年にトルバドールで行われたものです。CD+DVDです。日本語版のCDはSHM-CDということですね。
LAのトルバドールというクラブは、イーグルス始め、JT、CK、カーラボノフなど、様々なアーティストがここから巣立ったと言っても過言でない、現存するクラブです。行ったことないですが、その存在は随分前から知っていました。店内の画像もあって、何だか感慨深いです。

さて、「ライヴ・アット・トルバドール」。もう、数回観て聴いていますが、噛めば噛むほど・・・感の強い作品です。先月の武道館でのライヴの時に感じた穏やかな空気は、この作品からも感じられます。CKのはじけるような笑顔は、とても68歳とは思えない若さというか可愛さを感じます。JTは相変わらずクールな印象ですが、この二人のお互いを信頼し尊敬し合っている想いが、画面から溢れ出しています。観ていていつの間にか微笑んでいる自分がいます。
ギターの音がどうとか細かいことは関係無いです。勿論、全て大御所のミュージシャンであり、このバンドは70年代のオリジナルメンバーであるので、そのサウンドは間違いないのです。
「Will You Love Me Tomorrow? 」のハーモニーはたまらないです。 「You've Got a Friend」は、お互い感謝の気持ちを伝え合う・・・本当に心のこもったパフォーマンスです。

彼らの楽曲は、混沌としていた70年代前半に、その若者たちがそこから這い出したい想いが唄となったものがベースです。根源は違っても混沌とした今の時代を生きている我々にも、彼らの唄には響く何かがあるのだと思います。

CAROLE KING / JAMES TAYLOR 20102010年04月17日

日付が変わってしまいましたが、先ほど武道館から帰ってきました。「CAROLE KING / JAMES TAYLOR 2010 'TROUBADOUR REUNION' WORLD TOUR / JAPAN TOUR 2010 」!
CAROLE KING / JAMES TAYLOR 2010

なんと heart warming な、森林浴でもしたかのような爽やかさ、癒し・・・本当に良かった!
これまで数々のライヴを観てきたわけですが、これほどまで魂が開放されたライヴはありませんでした。出演者と客席の波動が一致しているかのような気持ちの良い時間でした。非常に質の高い最高のライブです。み~んな一緒になって歌ってました!
1曲目「Blossom」。JTのギターのA(add9)の音色。多分Capo3。このコードは私も好きで手癖のように鳴らしますが、非常に美しい音色。そしてJTのヴォーカル。どういう訳か、あまりの感動に涙が止まらなくなってしまい。そのまま2曲目のCKの名曲「So Far Away」で更に号泣に近くなってしまい。始めの2曲で満足してしまったような気持ちになってしまう始末。それほどまでに俺は溜まっていたのかなぁ?凄まじいデトックス効果です。スッキリしてしまった。でも、左右のお客さんも涙拭いてたし・・・。
JTやCKをメジャーデビュー当事からリアルタイムで聴いてた人たちは、私より5歳~10歳位上の世代。お客さんのコアの年齢層もそんな感じでした。もちろん、若い人達も来ていましたが。
途中20分の休憩が入る2部構成。2時間30分くらいのパフォーマンスです。もう大満足でしたね。「Carolina in My Mind」「You've Got a Friend」「Country Road」。「Shower The People」では、キャロルもバックコーラスに混ざって・・・よかった。
CAROLE KING が68歳。JAMES TAYLOR が62歳。CAROLEの若さには参りました!JAMESの声は変わらず優しい。

この歳になったから、彼らの曲が心に沁みるようになったのかなぁ?
でも、このユニットはもう観られないでしょう・・・きっと。観られてよかった!

細かいことは書かないつもりだったけど2つだけ。追記します(4/17PM)。
JTのギターは、いつもの如くOlsonのようでした。1階スタンド席から見た限りでは・・・。3本のアコギだったような・・・。1本はドレッドノート。後の2本はSJ。その内1本はカッタウェイの多分セダートップ。もう一本はノンカッタウェイのピックガードが透明か無しか。トップが白っぽかったのでスプルースかな?ピックアップはアンダーサドルの音ではあったけど、「One Man Band」を彷彿させる音でよかったですね。

そして、何といってもドラムのラス・カンケル。まさか生で聴けるとは夢にも思っていませんでした。正に伝説のドラマーです。この人のドラムは、カーラ・ボノフのアルバムで惹かれてしまったドラマーです。このブログでも記事にしています。こちら
適度なタメの効いたスネア。タイトでヌケの良いタム。腰の座ったビートがなんとも心地良かったです。バックのメンバーはudoのサイトなどで確認できます。バックコーラス含め、非常にバランスの良い、質の高い演奏でした。音響も私の席(南東1階5列目辺り)は良かったですし、ステージを斜めから若干見下ろす感じで、アリーナの中盤より後ろ辺りから比べたらよっぽど良い席でした。

4月17日、パシフィコ横浜で追加公演が決まっています。当日券あるようです。是非!

<来日メンバー>
CAROLE KING(vo, p, g)
JAMES TAYLOR(vo, g)
DANNY KORTCHMAR(g)
LELAND SKLAR(b)
RUSS KUNKEL(ds)
ROBBIE KONDOR(key)
ARNOLD McCULLER(vo)
KATE MARKOWITZ(vo)
ANDREA ZONN(vo, vln)

良さそうな映像をリンクしておきます。上の方の映像のバックは、今回のツアーのメンバーではありませんのであしからず。


Pat Metheny ~ Orchestrion2010年02月17日

PatMetheny(パット・メセニー)の新作がリリースされました。
Orchestrion 「Orchestrion(オーケストリオン)」というソロアルバムです。ソロなので一人でギターを弾いてオーバーダブとか?と思いきや、メセニーグループばりの楽器編成で鳴らしています。
生楽器群を機械で鳴らしているのです。複数のMIDI対応楽器を鳴らすのは、今や常識な音楽業界ですが、このMIDI対応楽器が生楽器と思ってもらえば外れてはいないでしょう。サンプラーではなく生です。
マリンバなら全ての音階にマレットが配置され、シンバルにもスティックが配置され・・・これらを多分MIDIインターフェイス経由でシーケンサーソフトで制御しているように見えます。
ただ、パット曰く、即興音楽にも対応できるというので、制御手法がどうなっているのかは良く判りません。



金にモノを言わせて構築した感はありますが、ライナーを読むと、作曲ツールとして、ライブパフォーマンスとして・・・と書いてます。
でも、正直言って、このシステムのポテンシャルがイマイチイメージできないので、何が良いのかまだ理解できていません。パットが子供の頃自動演奏ピアノを見て感動したというところから始まっていて、夢だったとも言っています・・・

で、音です。
楽曲はメセニーグループそのもので、「THE WAY UP」の流れをくんでいるような印象です。複雑な楽曲です。
でも良くここまで聴かせるレベルまでできたな~という技術的な関心事はあるのですが、どうしても許せないのがドラムです。
ジャック・ディジョネットがテクニカル面で入っているようですが、それでも特にシンバルワークとスネアワークは繊細さが足りない。シンバルレガートは、非常に繊細な表情を表現しますが、それは、単純に刻みやベロシティ(音の強弱)だけではなく、シンバルを叩く場所で音の表情を変えるのです。中心に近くなるほど硬くクリアな音になるので、8ビートを1小節で単純に8回叩くにしても、曲調に合わせて微妙に叩く位置を変えて(音色を変えて)グルーブ感を出したりするものですが、その辺の制御が無い。特に3曲目の「Expansion」の始まりと、2分37秒辺りで変わる4ビートのシンバルレガートは顕著です。なんか、ロックドラマーが慣れない4ビートを叩かせられているような音です。もうちょっと薄いシンバルを使っていれば少しは違うかも知れません。
なので、いわゆる素人の打ち込み音楽のようなニュアンスになってしまっているのが残念です。スネアも同じです。いいなぁ~と思えるドラマーの多くは、グルーブ感を出す効果のある、譜面に現せない微妙なタッチのスネアを手癖のような感覚で無意識に入れています。これは、ドラマー自身にあるビートで個性が現れる部分です。非常に重要だと思います。いわゆる打ち込みと人間のドラマーの違いはこの辺に現れるのです・・・・・。これも感じられない。
どうせこだわってやるなら、この辺までとことん制御してもらいたかった・・・というのが極めて正直な印象です。

新しいインターフェイスのシステムを披露するというのなら、いっそ、楽器フェア辺りでやってもらいたいですね。アルバムとしてリリースしたのだから、楽曲として音を聴かせる・・・というのが目的だと思います。それも、パットメセニーの音として聴かせるわけですから、そういう意味では完成度は低いと評価してしまいます。技術的には凄いとは思うんですが、音楽的には・・・ということです。古くからのファン真理としては、辛口ですが正直なところです。
これだけの演奏ができる制御システムを作った事を評価してもらいたいのなら、それは拍手を送りますが、私が他のミュージシャンと違ってパットに求めているのは非常にレベルの高い音楽というか、妥協を許さない音楽というか・・・

6月のライブチケットを、kanaさんの計らいでゲットできました。ライブでこのシステムを体感できるので、また見方が変わるかもしれません。楽しみではあります。

う~ん。無意識に「このシステムを体感・・・」と書いてしまっているあたりが今の私の受け止め方ですねぇ。


Silje Nergaard 第2期2009年10月04日

Silje Nergaardの第2期です。レーベルが地元ノルウェーのUniversal Musicに変わっています。
Port of Call まず、2000年リリースの「Port of Call」。始めの驚きがその声の変貌ぶりです。90年代前半のハスキー気味な声とは変わり、ナチュラルで澄んだ声になっています。ハイトーンで若い頃の名残が聴けるので、それまで知っているセリアなのだと確信できますが・・・良くなっています。とても。
このアルバムからJazzヴォーカルとしての第2期が始まります。10代にジャコ・パスと共演したと聴きますが、どれほどなのか聴いてませんし・・・セリアがJazz?と正直、首を傾げながら、でも久々のセリアだし・・・ご祝儀で購入でしたが、いや良いです。これなら末永くお付き合いできそうです。
このアルバムは大半がスタンダードなどのカバーですが、やはり注目は本人作曲の作品です。まずは1曲目。第2期しゅっぱなを自身の作品で攻めてきた訳ですから、しっかり受け止めましょう!「Me Oh My」。おう正統派な4ビートで来たね!これが新しいセリアなのね!という意気込みがあるように思えます。よし!方向性は受け取ったぞ!。6曲目「The Waltz」。スタンダードになるんでないの?という曲です。この人の唄のうまさが聴き取れると思います。弦とピアノのみのバックですが、丁寧に唄っているのが伺えます。9曲目「Shame on You」。デビュー当時からのファンとしてはホッとする1曲。セリアらしいフレーバーの爽やかなフォーク感覚の曲。良いです。
ベタな4ビートだけをやるのではなく、これまで聴かせてくれた多彩な方向の音楽を聴かせてくれそうで、大変よい印象のアルバム。そう、POPなJazzを聴かせてくれそうな期待が生まれたアルバムでもありました。この他の曲もよく出来ています。そして次作で、その期待に応えてくれるのです。

At First Light 2001年リリースの「At First Light」。私にとっては、このアルバムが第2期のセリアの魅力を決定付けました。
2曲目「Be Still My Heart」。4曲目「So Sorry for Your Love」は、セリアの新しい魅力を見せ付けるナンバーだと思います。このアルバムは捨て曲がありません。全ての曲を聴き込むと、その良さが伝わります。
7曲目「Keep on Backing Losers」。ファンキーなシャッフルビートの曲。ホーンがスティリー・ダンを彷彿とさせます。11曲目「Japanese Blue」12曲目「Lullaby to Erle」共に静かな曲です。飽きるかな?と思わせますが、そのメロディラインはセリアらしい上手さがあります。
何曲かカバーもあります。特に8曲目「Blame It on the Sun」は、S.Wonderの曲のカバーですが、セリア自身の物にしています。

Nightwatch 2003年リリースの「Nightwatch」。カバーは1曲だけPatMetheny/LyleMaysの「This Is Not America」。ここまで暗くしなくても・・・感は否めませんな。他は共作含めオリジナルです。
辛口で始まりましたが、このアルバムも良いです。最新作「A Thousand True Stories」に通づるストリングスを多く取り入れています。
1曲目からやられます「How Am I Supposed to See the Stars」。こういうフレーバーが新しいセリアなのだなと確信させたナンバーです。3曲目「Dance Me Love」サビの持って行き方がさすが。そして、5曲目「I Don't Want to See You Cry」。やってくれました。これはセリアの代表曲になるでしょう。タイトルそのままの曲です。あなたの泣き顔は見たくない・・・サビが何とも良いメロディラインですね。この曲は好きな方も多いと思います。6曲目「In a Sentence」。微妙なスイングが逆に聴き易くなっているかも知れません。12曲目「On and On」。3枚目のアルバムに収録されているもののセルフカバー。実は日本未発売の母国で1995年に出したアルバムにも同曲はノルウェー語でカバーされています。セリア自身思い入れの強いナンバーなのでしょう。本アルバムでは落ち着いた曲調の「On and On」です。

Darkness Out of Blue 2007年リリースの「Darkness Out of Blue」。正直に書くと、迷いながら作ったな・・・ネタ切れか?・・・と思わせました。私がセリアに望む彼女らしいメロディラインと曲の展開。これまで華となる曲が何曲かありましたが、このアルバムに関しては、それほどのナンバーがありません。敢えて挙げるなら1曲目「Paper Boats」。11曲目「How Are You Gonna' Deal with It」。12曲目「Let Me Be Troubled」が良いかもしれません。あくまで私の好みでのコメントですよ!
特筆すべきは、このアルバムは、前作に増してストリングスを取り入れています。ストックホルムストリングスがクレジットされています。そして、「Let Me Be Troubled」は、次作になる最新作の「A Thousand True Stories」への布石かと思わせるナンバーではあります。

そして、2つ前に書き込んだ最新作「A Thousand True Stories」では、レーベルも変わり、大きく羽ばたくことになるでしょう。ワールドリリースが待ち遠しいです。

Silje Nergaardのオフィシャルページ
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