byKen80...その後2013年03月22日

いや~久しぶりの更新です!Facebookでは毎日のように投稿してますが・・・お久しぶりです!

お久しぶりの記事は何にしようかと思い・・・やはり、byKen#80の進行状況をご報告します。
1月にネック合わせをしてきました。既にボディは出来ています。
ネック合わせ

ネック合わせも4回目?かな?#74同様非対称です。厚さとポジション間の違和感を確認する程度なので、10分位で完了です。この段階で細かく追い込む事はあまり意味がありません。仕上げで更に若干削る訳ですし、仕上げた状態のネックの肌によっても、何より弦の有無は大きく感覚が異なりますから・・・ある程度の合わせで後は慣れるという意識が必要です。

ネック合わせ

巨匠の仕事は速く正確です。あっという間に削っていきます・・・

トップ

仕上げ前のトップです。今回はシンプルに・・・でも隠れた所をゴージャスにしています。ワンリングを基調にしています。ワンポイントで青いアバロンを選んでいただいて、ヤイリギターの矢じりマークを入れてもらいました。サウンドホール周りは、コアで内周を、ワンリングはハカランダです。その間の細い線は、0.5mmで彫ってもらいました。ということは、色の薄いところはスプルースです。細かい細工をしていただきました。 パーフリングはローズです。

ヘッド

最後がヘッドです。面取りをしてもらってます。バインディングは無しです。ヘッドプレートの材はジリコテです。このギターは黒を基調にしたかったので、着色してもらってます。地のままの杢ですと、ちょっと騒がしかったので・・・

最終の仕上げでは、グロス仕上げになります。
さて、4月に完成予定です。この後どう化けていくか・・・楽しみです!

ジリコテ2012年10月14日

さて、ジリコテ(シャム柿)という材をご存知でしょうか?
結構硬い木で、ハンズで見つけた端材でチューナーボタンを作ったのが何年か前・・・面白い杢だと思っていたので、いつかはギターに使ってみたいなと漠然と思っていました。
byKen#80のヘッドプレートで悩んでいました。ローズで行くのが王道ではあるけど、全体にシンプル且つ、黒を基調にしたような印象にしたい事もあって、良いのが無ければ、ジリコテでお願いしようと・・・

で、ヤイリさんです。材の倉庫に行ってローズのヘッドプレートを探させていただきましたが、板目チックな杢は無く・・・
Rose


こんなに出してもらって、本当に申し訳なく思いつつ、Kenさん「シャム行こうか」と。ありがたい・・・

で、サンディングまでしていただいて、バッチリジリコテらしい杢が出た板を選ばせていただきました。
Ziricote


木取りは、こんな感じにしようかと。淡い色の部分の使い方がミソですが、どうなることやら・・・
Ziricote


Kenさんには頭が上がりません。ありがとうございました!

byKen #80 製作開始です!2012年10月08日

ヤイリギターに行ってきました。
byKen #80の仕様打ち合わせです。

ヤイリさん


5か月ぶりのヤイリさんです。
今回は、Yさんもいらしてお久しぶり!#73の育ちも確認させていただきました!遠鳴りのする素晴らしいギターに育っていました!まだまだ育ちますね・・・!
amanoさんの奥様が、お手製の栗きんとんを差し入れされて、3時の休憩で皆さんといただきました。うまかった!季節の味です。
相変わらずのアットホームなヤイリさんですね。
栗きんとん


さて、Kenさんと打ち合わせです。
もうロゼッタは出来ていることは分かっていましたが、サイドとバックも出来ていました!速っ!
実際の材を見ながら、バインディング、パーフリング、ヘッドなどの細かい部分を決定しました。これで製作を進めてもらいます。でも、納品は来春ね!金策が・・・
仕様を考える・・・


トップのブレイスも貼ってありました。ややフォワードシフトです。
トップ


バックです。いずれも削る前です。
バック


タイコになるのも間近ですね。
#80も前作と同じ#74と同じボディシェイプです。
タイコ間近


で、#74と 同じシェイプの新作ギターが、池袋の楽器屋に嫁入りするそうです。記念に#74とツーショット。左が新作。右が#74。新作は、バリバリトラ杢のメイプル。Kenさんのメイプルは深い音がします。ある意味メイプルらしからぬ音かも知れません。良い音してました。
嫁入り


こう見ると、#74は焼けましたねぇ。イイ感じになってきました。

また、いろいろなギターを弾かせてもらいました。楽しい空間だなぁ~。ヘッドプレートの材も、新たな試みをします。そのうちアップしましょう!

ByKen #133のレポート2012年04月16日

私のByKen#74のボディシェイプを使用して、ショップ向けの#133が、御茶ノ水の下倉楽器に納品されています。もちろん、ヤイリの小池さん作です。
このブログに遊びにいらしてくれる、クラバートさんが自身のブログ「クラバートの水車小屋」でレポートされているので是非!嬉しいですねぇ。

byKen#74 そろそろ1年になるんですよね2012年03月25日

byKen #74が我が家に来て、もうじき1年になります。
昨年の震災を越えて、3月に完成し4月に引き取りに行ったのが、もう1年前。あっという間の1年でした。
#74

順調に育っていると思います。当初から鳴るギターではありますが、出来たての頃の硬さも収まってきました。Kenさんのギターは、包み込むような深い鳴りとヌケの良さが特徴と思いますが、まさにそんな音です。
#74

1年経ってバランスも良くなってます。低音が育ってきた感じがしますね。
フィンガー向けのセッティングなので無理も無いのですが、当初、フラットピックでの強いストロークはバシャバシャした感じがあったのですが、この3ヶ月位で、それも無くなって来たのは驚きです。まだまだ育つでしょう。
#74

マホガニーサイド/バックですので、ローズと比べると、アタックはカラっとした元気のある音ですが、その後に続く鳴りが深いので、太い音です。ネックが太めなのも影響しているかも知れませんね。
#74

トップのスプルースも焼けてきました。私の最終的なデザインは、トップがしっかり焼けて完成です。パーフリングの黒蝶貝は濃いトップの色に合うと思うんですけどね。
#74

ネックシェイプもオリジナルで非対称で作ってもらいましたが、これは良かったです。非常に弾きやすい!次作もこのネックシェイプかな!

1年経つと随分音が落ち着いてきますね。この1年目の変化が一番大きいのではないかなぁ・・・。
しかし、byKenは鳴ります。

ハハハ・・・作ってしまいます!2011年07月17日

呆れてください!
また作ってしまします。byKenです。

昨日ヤイリにお邪魔したのは、チューナーボタンの件もありますが、次なるbyKenの材選びでした。
Yさんもいらしてくれて、一緒に「あ~だこ~~だ」と楽しい時間です。

まずトップのシトカスプルースを選ばせていただきます。Kenさんがドサっと持ってこられて、「さぁ、選んで!」と。「ギラギラがええで」「乾いたやつがええで」「これええなぁ、でもこの筋が・・・」「う~ん」。3人であ~だこ~だと選びます。
byKen next


Yさんも選んでくれました!
byKen next


トップはこれ!ギラギラでしょ!コシもあってシルクの入り具合も良いです。勿論タッピングの音もヌケが良く響く音でした。
byKen next


サイド/バックのインドローズも選んで・・・
うわさ通りローズはイイのが少なくなってます。柾目の脂分が少なめのやつをと。Kenさんのアドバイスを全面的に聞いて選びました。
byKen next


完成は2年後かな?まだデザインもしてないし、音の方向性もこれから決めていきます。ゆっくり楽しい時間がまた流れ出します!さ~てまた呑みに行く回数が少なくなる日々だ!


byKen#74 レポートその32011年05月03日

高速は凄い渋滞のようです。1000円高速もあと1ヶ月ですしね・・・

さて、#74の内部を少しだけ。
まずは、ブレイスのパターン。写真は組み立て前の状態。フォワードシフテッドXブレイシングです。スキャロップは少し入っています。ブリッジプレートはご覧の通りローズで、少々大きめですね。
普通のXパターンですが、本家マーチンのパターンとは微妙に異なっています。この辺りが小池トーンの秘密の1つかも知れません。深くは触れませんが・・・
#74 blase


続いては組み立て後の内部写真ですが、byKenはサイドの割れ止めを入れていません。Kenさん「割れるときは入れておいたって割れるし、今まで割れたこと無いし、余計なもんは付けない!」とのこと。
組み込み後のブレイスの写真は載せませんのであしからず。Kenさんのノウハウですから。
#74 side


最後がbyKenプレート。byKenには全てにプレートが装着されます。
「刻印する文言どんな風にする?」とKenさん。「確かこんな感じでしたっけ?Kenさんの名前と私の名前が入っていれば良いですよ!」と、サクっと作ったデザインを送ると、「あぁ、このデザイン良いねぇ。これで作っちゃおう!」ということで出来たプレートがこれ。
ネックブロックに貼り付けてあります。
#74 plate


内部も非常に綺麗に作られています。ライン製とは若干異なる部分もあります。細かい解説はしませんが、数十年のキャリアの結晶がこのbyKenです。
Kenさんのギターは、確かにKenさんの音がします。丹羽さんでもなく、道前君でもない音です。カスタムショップは三者三様の音です。どの音が好みかは、是非試していただきたいです。私は小池さんのギターの音が好きかな・・・。音の話は、今度にしますかね。

byKen#74 シェイプ2011年04月30日

#74 shape


実機内部のレポートの前に、ボディサイズをトラディショナルなモデルと比較してみます。何れもマーチンのモデルとの比較です。
上の図で、青が#74。赤がドレッドノート。緑がOOO(OM)のシェイプです。#74のボディ全長は、ドレッドノートより8mm短く、ヒップの幅は同じく5mmほど狭いサイズです。OOOとほぼ同等の面積かな?
#74は「The Manzer」をベースにしていますが、ショルダー部が狭い印象がありましたので、5mmほど広くデザインしました。
OOOの音を目標にしたのですが、「じゃOOOで作ればいいじゃん!」と突っ込まれそうですが、どうも、あのシェイプが好きになれないんです。ショルダーが張っている感じと、上下部が直線になっているところが、色っぽくない・・・。で、以前から好きなシェイプであった「The Manzer」に、お出ましいただいたということです。
胴厚はOOO(OM)と同等です。この胴厚はレスポンス、バランス共、良いと思います!

byKen#74 レポートその22011年04月24日

byKen74の外観を見てみます。

トップから見てみます。シトカスプルースです。もともと濃い色のスプルースでしたので、磨いた後も濃い色になりましたね。でも、タッピングの音が非常にヌケの良い音でしたしコシもある板で、乾燥具合も良い板です。木目も中心部が詰まっていて、よく言われるセオリー通りの板だと思います。勿論Kenさんにアドバイスをいただきながら選びました。
パーフリングの黒蝶貝が怪しい光り方をしています。こういう感じが欲しかったのです。貝に沿った黒い線材が良い効果を出していると思います。ここには細くても白い線は入れたくないですね。
#74


ロゼッタ周りです。ロゼッタも黒蝶貝を入れています。太い黒色部はハカランダです。線材はセル。敢えてセルです。サイドの線材もそうですが、色のメリハリを付けたかったのでセルにしました。木製の線材ですと、白黒がはっきりしないので、黒蝶とのバランスが良くないと考えてのセルです。経年で収縮すると思いますが、まぁ良いかなと。
サウンドホールからロゼッタの内周までの距離を3mmにしました。通常は6mm程度らしいですが、ここを細くすることでいっそう引き締まります。ここの距離を変えるだけでも、印象が随分変わります。
#74


黒蝶貝をご覧いただきます。アバロンのように明るく複雑な柄ではないので黒い印象の貝です。黒蝶貝や白蝶、黄蝶共通して、光るための光の入射角が限られます。ですので1方向から見ると所々が光る格好になります。その代わり、光る角度がいくつかあって、それに合うとアバロンにはない輝きと発色をします。明らかにアバロンとは異なる光り方ですし、緑色に光る部位は非常に綺麗ですねぇ。
#74


アバロンを巻いたYD-Customと。その違いがわかります。YDは随分焼けたなぁ~
#74


続いてブリッジです。テイラーっぽくなってしまいましたが、欲しい形状でした。ベリーより広くヤマハっぽい中央部にして、サイドを斜めにカットしてみました(単純に斜めではないのですが・・・)。材は黒檀です。
#74


ホンジュラスマホガニーのバックです。フレイムの入った材を探していただいて、見つけていただいたものを使用しました。着色は通常のマホより濃い目にしてもらい、バインディングのカーリーコアを浮き立たせる効果も狙いました。タッピングしてみますと、結構硬い締まった音がしています。
#74


サイドも同じくホンジュラスマホガニー。細いフレイムが薄く入った材ですが、この輝き方が良いですよね。マホガニーってこんな風に光るんです。バインディングはヒールサイドにも入れてもらいました。
ネックはマホガニーとメイプル、黒檀の5P。マホガニーは接木していない1本ものです。
#74


ヒールキャップもカーリーコア。サイド/バックの線材もセルでメリハリのある白-黒-白にしました。
#74


サイドポジション。12フレットを大き目のかまぼこ型にしています。指板下にも線材を入れています。ここの線材は経年でも収縮しないように木製にしました。バインディングはカーリーコアです。
#74


ヘッドです。形状は James A. Olson をパクっていますが、サイズは異なります。#74の方が数ミリ幅が狭いです。
ここのデザインもどうしようかかなり悩みましたが、キルテッドマホガニーにヤイリギターの矢じりマークを小さくワンポイントにしました。貝は使いたくなかったので、黒檀で作っていただきました。バインディングはカーリーコアです。
このようなペグの配置で、弦のテンションを弱くする効果も狙っています。チューナーボタンはゴトーの黒檀ですが、何れ自作のものに替えます。
ナット幅が45mm。ネックは厚めに削ってもらいました。非対称形状でもあります。NYのような握りに近いかも知れませんが、実はこれ位太いほうが握りやすいのです。私のように大きな手ですと。音にも影響していると思います。
#74


このヘッドの曲線。好きなんです。いろいろと研究しましたが、この曲線が今の私にはベストです。実は、James A. Olson とは微妙に曲線が異なります。自分が一番気持ちの良い曲線に何度も書き直しました。ヤイリさんのカスタムはこういう事が出来るのが素晴らしいです。
#74


最後がヘッド裏です。ペグはゴトーのSGV510ZゴールドのXフィニッシュ。指定はSGV510Zとだけで、色もフィニッシュもお任せでした。まさかXフィニッシュを装着いただけるとは思っていませんでした。期待はしていましたが・・・Kenさん曰く、ギターに合ったものを選んだだけだよ!と。H.A.P.にまでしてくれてグレード的にはハイエンドですねぇ。やはり、1:21は良いです!
ネックの方は三角ボリュートを入れていただきました。5Pとの感じが綺麗です。
#74


さて、外観をご覧いただきました。Kenさんには細部の形状や色合いなど、それは細かく確認していただきながら製作いただきました。都度連絡をいただき、確認しながら作業を進めていただけたのは本当に頭が下がる思いです。その甲斐あって完璧な造りです。こんなカスタムができるのも、ヤイリギターだからこそだと思いますね。
では、次回は内部を少しだけ・・・にしようかな?

byKen#74 レポートその12011年04月23日

では、byKen#74を何回かに分けて紹介します。今後のオーダーなどで参考になれば嬉しいですが・・・
#74 TOP #74 BACK



























#74 SIDE

スペックです.
ボディシェイプ オリジナル
ボディ厚 oooと同等
ブレイス X、フォワードシフテッド、ほんの少しスキャロップ
ナット幅 45mm
スケール 635mm
ライトゲージ
トップ シトカスプルース単板
サイド ホンジュラスマホガニー単板
バック ホンジュラスマホガニー単板
ネック ホンジュラスマホガニー、メイプル、黒檀 5P
指板 黒檀
ブリッジ 黒檀
バインディング カーリーコア
トップパーフリング 黒蝶貝+セル
ロゼッタ ハカランダ+黒蝶貝+セル
バックセンター カーリーコア
ボジションマーク なし
ヘッド付き板 キルテッドマホガニー
ブリッジプレート(内側) ローズウッド
ナット 象牙
サドル 象牙
ブリッジピン 黒檀
エンドピン なし
ペグ ゴトーSGV510Zゴールド、Xフィニッシュ
ピックガード 透明塗り込み
塗装 ボディ/グロス ネック/艶消し オーバーラッカー

#74の音の方向性としては指弾き向け、軽く弾いただけでも反応するレスポンス。oooライクなバランスを基本に少しだけ低音を厚くしたい。というのがリクエストでした。レスポンスとサスティン、音のヌケ共に本当に素晴らしいです。既にリクエストに近い音を出しています。特にプレーン弦のレスポンスは、ささやくように弾いてもしっかり響いてくれます。
ボディシェイプはオリジナルではありますが、Linda Manzerの「The Manzer」をベースにしています。全体的に曲線やサイズを若干アレンジしていますので、私のオリジナルシェイプとなります。勿論、Kenさんは始めてのボディですので、音作りが未知数であったと思いますが、完璧な出来上がりです。これから育つとどう変化していくか楽しみですねぇ。

今回はいくつか冒険がありましたが、特にパーフリングとロゼッタの貝を黒蝶貝のみにしたのは、最後までドキドキでした。結果、非常に魅惑的な輝きを活かせたデザインになったと思います。成功と言ってよいでしょう!
ネックの5Pも、全くの予定外でしたが、Kenさんとの打ち合わせの席で提案され即採用となりました。サスティンやヌケの良さはこの5Pが影響しているのでしょうかねぇ?その効果は判りません。ただ、ねじれに強くなるという効果は確実のようです。

さて、次回はボディの外観について細かく見ていきましょうかね・・・
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