K.Yairi DY28-12 の音2007年12月16日

順番が逆になりましたが、DY28-12の音をお聞きください。下手な演奏ですが録音してみました。何れもミキサーからProteusX+CubaseLEにてPCで録音しています。同梱のソフトエフェクト(リバーヴ)をう~すくかけています。
まず、 生音をマイク録音 (CAPOなし) したものです。(mp3:約2.5MB)

次は、12弦といったらこの曲でしょう。
生音でマイク録音 (CAPO7) です。(mp3:約2.6MB)

弦交換してから2週間位経ってからの録音です。結構下の方の音も出ていると思いますが・・・。

→外観の様子は、こちら
→内部の様子は、こちら

K.Yairi DY28-12 #22007年10月29日

DY28-12 Side Solid Rosewood 今回は、DY28-12の内部潜入です。
外観の様子は、こちら
まずは、サイドのローズ断面から。3mm位の厚さでしょうか。プリアンプ取り付け枠下の薄い板がそれです。密度の高そうな板であるように感じられますね。着色していなくてもこんな色なのですね。丸太の状態だと全部がこの色なのでしょうかねぇ。見てみたいです。スプルースと比べて比重が約2倍ですから、ボディが重いのも頷けます。

DY28-12 Brace ブレイシングはノンスキャロップのXブレイスです。YW-500Rと比べて、力木の面取りが丁寧な感じですね。 ブリッジの付き板はローズウッドです。
ところで、ローズウッドのボディは、サウンドホールから匂いを嗅ぐと、ほのかに甘い香りがしますよね。購入当初は接着剤の匂いだとばかり思っていましたが、ローズの匂いと聞かされた時は驚きでした。だからローズウッドなのか・・・と。


DY28-12 バックあて板 DY28-12 Neck Block 続いて左の写真がネックブロック。今回は、プリアンプ取り付け口から撮影してみました。ここにも、和暦なのか押印してあります。バリが取れていないのが何とも・・・。特にビビったりしていないので放置していますが。構造は、YW500-Rと変わらないものです。
右の写真が、バックセンターの当て板。ヤイリでは、オールソリッドモデルは、このように「かまぼこ型」です。プライウッドのモデルは平板が使用されています。

DY28-12 Saddle お次は、ここまで見せていいのか!サドル部分です。
各弦独立したサドルです。樹脂製です。この白いサドル部分は各々取り外せますので、弦高調整は各弦毎にできます。実際、ヤイリで弦高調整いただいたときは、これの下側を削って調整していました。あの時は、自分なりの調整も可能なようにと、いくつかスペアをいただいてきました。
ブリッジ側に残っているシルバーのものがピエゾ本体です。中央部分から下にコードが出ていてボディ内部に入り、プリアンプに繋がっています。 上のブレイスの写真にある付き板から出ているコードがそれです。

DY28-12 Saddle そのピエゾをどかすと右の写真のように、ボディ面ということになります。振動の伝達という意味では、通常のサドルは、牛骨-黒檀-スプル-スという順ですが、この場合は、樹脂-ピエゾ素子-スプルースという順番。伝達物質の個数は同じですが材質が違いますから、どうなんでしょうか?私の耳ではあまり変わりは無いのですが・・・。まぁ、それも記憶の世界との比較ですので何とも言えませんが、少なくとも、今の生音には満足しています。それにしても、ブリッジの加工ですが、スプルースに傷が付いていないのはどのような加工だったのでしょうか?ブリッジを一度剥がして削ったのかな?

基本的に、YW-500Rとあまり変わりはありませんが、ネックブロックやブレイスの仕上げなど微妙に手をかけている事を感じられる内部の様子です。最後に、ソリッドスプルースと、ブリッジ付き板の様子をアップしておきます。

DY28-12 ブリッジ付き板 DY28-12 Solid Spruce









K.Yairi DY28-12 #12007年10月21日

DY28-12 BACK DY28-12 TOP さて、ヤイリギター2本目です。ちょっと長文になります。
DY28-12は、Martin D12-28のコピーモデルです。ヤイリでは、オールソリッドであるDY28の12弦モデルということになります。
このギターは80年製で、当時の定価が10万円。6弦モデルのDY28は当時9万円でした。現行は2倍以上の価格設定になってしまっていますね。材料の高騰などで仕方ないですな・・・。
これも、高校時代にバイトで貯めた金で買ったもので、27年の付き合いです。御茶ノ水はカワセ楽器で購入。
これまで大きなトラブルは発生していません。唯一、オリジナルのペグがゴールドメッキのものだったのですが、メッキが腐蝕してきてザラザラになったので、03年に自分でゴトーのクロームに替えたのみです。
また、98年にピックアップを付けています。

DY28-12 heel cap まずは、スペックを書いておきます。

サイズ:ドレットノート
トップ材:スプルース単板
バック材:ローズウッド単板
サイド材:ローズウッド単板
ネック:マホガニー2P
ブリッジ:エボニー
指板:エボニー
バインディング:プラスティック白黒マルチ
塗装:全面ラッカー
ペグ:ゴトー製クローム ※自分で交換
ピックアップ:PR-500(後付け)


DY28-12 細かい木目 今回は、外観を見てみます。内部の様子は、こちら

DYシリーズだけあり、高級な材が使われていますね。トップのスプルースは、非常に目が細かい。店に展示してある有名海外老舗ブランドの貝がいっぱい使用してある100万円近いようなもの(バレバレか・・)でも、これほど細かいものは見たことが無い位です・・は言い過ぎか? さすがにローズがソリッドだけあり、重量は重いですね。ヘッドもそれなりに重いので、YW-500Rから持ち替えるとズシッときます。

D28コピーということで、バインディング、ロゼッタ共にプラスティックです。塗装がラッカーだけあって、27年の経過を感じさせる黄ばみがあります。上のヒールキャップの写真でも分かりますが、セル部分が黄ばんでいます。 これは、ラッカー塗装であることの証しですし、オールドらしい風格をもたらすものです。ポリウレタンと違って、その質感は違います。 DY28-12 バインディング 塗装厚が薄く感じる分、板の質感を感じられるというか、艶に落ち着きがあります。ウレタンはわざとらしい艶みたいに私は感じます。やはりラッカーが好きですね。

ヤイリギターの場合ラッカー塗装は、いわゆるオーバーラッカーだそうです。始めは目止めとしてウレタンを塗り、研ぎを何度も繰り返し、目止めを終えてからラッカーを塗るということです。始めからラッカーということになると、膨大な時間を要するということです。ラッカー塗装はその薄さによる響きへ影響を少なくする目的と、経年による色の変化を楽しむ事が目的になると私は思いますが、このウレタンでの目止めでもその効果は変わらないと言います。まぁ、カスタムショップでは最初からラッカーという指定でも受けるそうですが、目的が何かで賛否あるかも知れません。私はオーバーラッカーで納得していますが・・。

DY28-12 真っ黒黒檀 ブリッジも浮くことなく密着しています。真っ黒な黒檀です。塗装されているのかどうか分かりませんが、ピエゾを取り付けたサドル加工部分の断面を見ても真っ黒なので、塗装の黒さではないように思います。
弦は、D'Addario Phosphor Bronze Light 12-stringを張っていますが、驚くことに張力は114kgを超えるんですね。 メタボな私がぶら下がっても余りある・・・!6弦がLightで75kgですので、これの約1.5倍。堅い黒檀のブリッジと、3mmほどのスプルース、付き板、ブレイス、それらを接着するニカワ。全てが機能していないと楽器として成立しないわけです。

DY28-12 ヒール ネック周りは、YW-500R同様ダブテイル方式で接合され、ヒール部分で分割接合されている2Pネックです。ネックはホンジュラスマホガニー。 握りは12弦にしては薄い方だと思います。弦は低くセットしてもらっています。が、さすがに幅はありますし、2弦同時に押えるわけですから6弦よりは弾きにくいのは当たり前です。 ちょっと弾かない時期が長くなり握力が下がると長時間は弾けなくなりますね。12弦は体力で弾く感もありますねぇ。

このギターも27年を迎え、鳴るギターに育っています。バックに伝わる振動は大きくなっていますし、12弦特有のキラキラした音はバランスも良くなっていると思います。

その他、画像をアップしておきます。
次回は、内部へ・・・。
DY28-12 PR500 DY28-12 ヘッド DY28-12 ヘッド













DY28-12 フレットボード DY28-12 サイド DY28-12 ボディ











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