K.Yairi YW-500R #12007年09月07日

高校時代にイトーヨーカ堂の店頭で、たこ焼きやポップコーンを売るバイトで貯めた金で買った、79年製のK.Yairi YW-500R。どことなくたこ焼きソースの香りがするかな?
YW-500R back YW-500R top 当時のメーカーのレギュラーモデルの多くは、型番ってそのまま定価でしたよね。このYW-500Rも、当時の定価が5万円でした(現行は105,000円)。ケース別売りだったので、実売はケース込みで4万円台中盤位で購入したように思います。

当時は、アコギメーカーもいくつかあって、中でも、YAMAHA、MORRIS、S-YAIRI、東海(キャッツアイ)、そしてK.Yairiのカタログをかき集め、結局、オールハンドメイドであることと、当時のアカ抜けないカタログに付いてきた冊子が、アコギの作りや材の重要性、扱いの基礎などを教えてくれる目からウロコの内容であったこと。そして、実際に弾き比べて弾きやすいし、はっきりした音を出すことが決め手となって、K.Yairi(以降、ヤイリギター)から選ぶことにしたのです。
何度か御茶ノ水に通い出会ったのが、YW-500R。ヘリンボーンのD-28コピーモデルのような風貌だけど、ボディバインディングはメイプル。トップはソリッドスプルース。サイド/バックはローズの合板。ネックはマホ。ブリッジとフィンガーボードはエボニー。何より、渋い見た目と、弾きやすいネック、良く通る比較的硬めの音が決め手となって購入。

以来、28年。殆ど弦は緩めることなく保管していますが、ネックの反りなどの致命的なトラブルは発生していません。ピックガードが剥がれてパフパフになったので、張り替えを96年頃にしまして、同時にピックアップも付けました。その後、3,4弦が微妙にビビるようになったので、ヤイリギターに相談し、04年にナットを交換。06年にフレットの擦り合わせを実施。
YW-500R label いずれもヤイリギターに送ったり、持ち込んだりしてリペアしていただきましたが、ここで驚きは、ヤイリギターの永久保証システム。上記のリペアでそれなりのお金を支払ったのはピックアップ取り付けのみ。他は、送料の負担はこっちだけど、材料費ぐらいで非常に微々たる物でした。まぁ、程度によりバラつきはあるようですが、基本的にこんなコストで良いの?という良心的な値段でリペアしていただけます。それも、細かい部分で確認が必要となれば、直接職人さんが電話して来てくれますので非常に安心して預けられます。但し自社製品のみです。当然、他社製は数倍以上のリペア費用がかかるようです。
多分、世界中捜しても、こんなアフターをしてくれるメーカーは無いでしょう。

ヤイリギターに工場見学に行った際、ちょっとだけ社長である矢入一男氏と話をさせていただくチャンスができて、「良いギターは永く使ってこそ、その良さが分かってくる。だから丈夫であることは重要。ウチのギターは伝統的な技術で職人が一本一本作っている。孫の代それ以上でも使えるぞ!わっはっは!(※明るい方なんです。)でも、永く使えば調子の悪くなることもあるから、リペアしながら永く使えるようにしてる。」というような内容のお話をしてくれました。売りっぱなしではないんです。その後も責任を持つということなんです。直感的にイイと思って付き合いだしたヤイリギターですが、その変わらぬ姿勢はユーザーにとっては感動モノです。

う~ん。ヤイリギターネタになってしまいました。YW-500Rの細部については次回、ご紹介しますね。

コメント

_ K ― 2011年08月01日 22時45分

こんな古い記事にコメントしてすみません。
僕の愛器も1979年製のYW-500Rなのでうれしくなってしまって。
(シリアルは234xxですが、ほとんど兄弟みたいなものですね)
お年玉数年分を握りしめて、御茶ノ水の下倉楽器で買いました。
外国船の写真と「オー!奴の持っているギターはヤイリ!」
みたいな妙なコピーの載ったパンフレットでしたよね。
装飾が豪華なYW-600を買うつもりでしたが、
音の芯が気持ち良いと感じた500Rにしました。
以来他の楽器に持ち替えることもなく、今でもとても良い音で鳴ってくれます。
僕のピックガードもパフパフしているので、岐阜へリペアに出してみようかなぁ。

_ ねこまんま ― 2011年08月03日 13時05分

Kさん。こんにちは。

コメントありがとうございます。
いや~兄弟機ですねぇ。嬉しいです。
30年以上も手元にあって、しっかり現役で、
ネックなんてビクともせず、確実に鳴るように
鳴っているのが何より嬉しいですし、驚きです。
当時たった5万円のギターですからねぇ。
で、未だにヤイリでしっかり診ていただけるのが
本当に素晴らしいです。

是非、ヤイリに里帰りさせてください。
見違えるような状態になって帰ってきますよ!

_ とく ― 2011年09月05日 22時30分

Kさん、ねこまんまさん、こんにちは。ネットサーフィンをしている内にここが目に留まり、勝手ながらコメントさせて頂きます。
数ヶ月前から、昔聴いた70-80年代の曲にYou-Tubeでハマリ、久々にまたアコギを弾きたくなり、実家に置きっ放しにしていた74年製のYW-500Pを取り寄せたところ、ネックが曲がり根元は少しクラックが入っていたのですが、ヤイリさんに修理に出したところ、格安とも言える費用で実用上ほぼ問題ない状態になって戻って来ました(^^)
アコギと言えば、若い頃には買えなかったD28 CUSTOM(新品)を最近買い、パワーではD28に負けるものの、想い出が詰まったYW-500Pの軽く明るい音も捨て難く、当面2本体制でぼちぼちと「腕」をリハビリしたいと思っています。

_ ねこまんま ― 2011年09月07日 13時10分

こんにちは。とくさん。

思い出が詰まったギターは、手放せないですよね。
この頃のヤイリはミディアムゲージが標準になっていると
思います。
私の500Rはず~っとミディアムゲージです。パワーとヌケは
ちょっとした単板ギターに負けない音を出してます。

昔と違って、今だから感じられるギターの音色なんかもあると思います。
楽しんでくださ~い!

_ きのたく ― 2014年06月06日 09時26分

私は手が小さいので、細いネックと白めの色にあこがれて、一目ぼれでした。
無き父が買ってくれたもので、調整が悪いのか、3カポぐらいで止めると、弦がビビるのですが、それでも愛してます。水道橋で90年に買って、ハードケース付きで6万円台だったと思います。
さすがに屋外には持っていけないので、もう一台買いたいのですが、どのモデルも結構良いお値段で。

_ ねこまんま ― 2014年06月29日 15時23分

きのたく さま
レス、遅くなり申し訳ありません。
K.ヤイリのギターであれば、安価で調整してもらえると思いますので、ヤイリへ電話で確認されるのも良いかも?

_ K ― 2016年10月12日 16時01分

ねこまんまさん、ご無沙汰しています。以前この記事にコメントをしたKです。
この夏、遂に念願かなってKANI GIFUに行ってきました。
写真でしか知らないヤイリの工房を拝見することができ、現社長さんの粋な計らい(詳細は伏せますが)までいただき、夢のような時間でした。
また、ねこまんまさんが「是非里帰りさせてください」と仰ったのが忘れられず、その時に持参してリペアをお願いしたところ、私のYW-500Rは文字通り見違えるような状態になって(色々オマケもついて)帰ってきました。しかも信じられないような低価格。永久保証は伊達ではありませんね。ヤイリギターさんとねこまんまさんに、この場をお借りして御礼申し上げます。
恐らくねこまんまさんと同年代の私ですが、未だに楽器が好きで活動を続けています。これからも愛器を末永く大切にしたいと思います。

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