ドラマーの違い2007年08月17日

同じ曲でありながら、ドラマーの違いによってずいぶん違うものになるものだと痛感した経験の話です。
Speaking of Now Pat Metheny Group の 「Speaking of Now live in Japan」を観た時です。同名のアルバム 「Speaking of Now」 からドラマーがPaul Wertico(ポール・ワーティコ)からAntonio Sanches(アントニオ・サンチェス)に替わり、その陣容でツアーを周ったのですが、ライブでは定番の「The First Circle」を聴いた時それは起こりました。それまで聴いて来たものとは全く異質なものに感じられたのです。この曲独特の、あの疾走感が感じられない・・・・。
Pat Metheny Group の曲のほとんどは同期モノですので、テンポも変わっていないでしょうし、アレンジも変わった感じではなかった。 つまりは、ドラマーが替わったことで、「The First Circle」では無くなってしまった・・・・。

この曲は、6拍子と5拍子が交互になる変則的なものですが、シンバルレガートが小節をまたぐように疾走感を出しています。Paul Werticoはシンバルプレーの名手と言われているだけあり、左右にライドを持ってきて、非常に表情豊かに、アルバム 「ファースト・サークル」 やDVD 「モア・トラヴェルズ」 で演奏しています。Antonio Sanchesも同様に左右にライドを持ってきて同じようにレガートを叩いていたのですが、どうも違う。
ファースト・サークル モア・トラベルズ
Antonio Sanchesがイヤだというのではありません。彼が入ったことで、新しいPat Metheny Group サウンドが生み出されています。でも、Paul Wertico が叩いてきた曲は、Antonio Sanchesでは再現しきれない。当たり前なのでしょうが、譜面には表現されない個々の持つグルーブの違いが顕著に現れた体験でしたねぇ。
トラヴェルズ ドラマーに限らず、人間の奏でる音楽とはこういうものであり、ミュージシャンにより楽曲が変幻自在に変貌するということを改めて実感した次第です。
だから、好みが生じるわけですが・・・・。
同じ経験を、「Are you going with me?」でもしています。やはり、 「トラヴェルズ」 のサウンドが基になっているので、毎回ライブを観る度に、あのクオリティを求めてしまう。やはり、Dan Gottlieb(ダン・ゴットリーブ)でないとダメかな?と、いつも思ってしまう・・・。

Karla Bonoff2007年08月19日

Karla Bonoff(カーラ ボノフ)。この人もPat Metheny同様永い付き合いですな。2ndの 「Restless Nights」 以来の付き合いですから30年近い。
Restless Nights 何より歌声にやられましたなぁ。この人の歌声を聴くと非常に安堵します。
アルバムを数枚出していますが、やはり、「Restless Nights」でしょう。参加しているミュージシャンも、James TaylorやDon Henley、そしてRick Marottaなどなど・・・。Linda Ronstadt 繋がりだったり、Losのクラブ、トルバドール繋がりだったり、Bryndle繋がりだったりと、当時の交友関係が見て取れるような陣容になっていますね。(敢えてBryndleのメンバーネタは外しますね)

実はこのアルバムでは、3曲目の「The Letter」でのDon Grolnick(ドン・グロルニック)のFenderRhodesにやられまして、最初はKarla Bonoffの歌よりも、このピアノの音にやられました。
2曲目「Restless Nights」。イントロを聴いただけで、ほぐされていく感覚になります。やめられません。Rick Marottaのべた~っとしたドラムがなんともイイです。バックコーラスにはDon Henley、JD Souther。5曲目の「Only a Fool」。明らかにマイク録りしたアコースティクギターの音。微妙に弦がビビる音、巻き弦のスクラッチ音など聴いて取れる。Rchの Karla Bonoff のギターはマホガニーで手弾きか?LchのDavid Lindleyはピックは使っているなぁ、ローズウッドの音か?などといらぬ詮索をしてしまうほど、ナチュラルな録音。Kenny Edwardsのベースも単調になりがちな曲に表情を出している。良いです。そして9曲目。もう、彼女のオリジナルと言っても良いような感のある「The Water Is Wide」。James TaylorとJ.D.Southerとのコーラスはいや~染みます。

Karla Bonoff 遡って、1stである 「Karla Bonoff」 77年リリースだけあって、若々しい歌声ですな。 4曲目の「Home」爽やかなワルツ。7曲目の「If He's Ever Near」がこのアルバムでは一番良いかな・・・と思い改めてクレジットを眺めたら、コーラスに、JD SoutherとGlenn Freyが入っていますがな。

サウンド的に大きく変わったのが82年リリースの [Wild Heart of the Young」。 Glenn Freyがプロデュースするはずだったが、結局それまで通り、Kenny Edwardsがプロデュースしている。
Wild Heart of the Young ジャケットがケバいメイクのカーラ ボノフが写っていて、「おぅ。こっちの方向でいくのね・・・」と思いながら、聴き始めて「あら、基本は変わっていないのね」と安心した思い出があります。このアルバム全米9位までいっただけあって、参加ミュージシャンもなかなか。J.D. SoutherやTimothy B. Schmit、Don Henley、Joe Walshとイーグルス組、David Sanborn、Steve FormanそしてRuss Kunkelなど。
このアルバム、どの曲も良いです。その中でも私的には5曲目の「Just Walk Away」が1番かな?Russ Kunkelのタメてるドラムとシングルヘッドのタムサウンドが良いです。David Sanbornのsaxも若々しい!(ドラム中心で聴いてしまう悲しい性か・・・)
New World この後、88年に 「New World」 をリリースしますが、打ち込みメインで初期のアコースティックサウンドが懐かしく思われましたなぁ。でも、楽曲的には良いものが多いです。

その他Bryndleで2枚出ていますね。西海岸っぽいサウンドを保っています。1枚目の 「Bryndle」、 2枚目の 「ハウス・オブ・サイレンス」 。 どちらも何曲かKarla Bonoffが作曲し、自身がメインヴォーカルで歌っていますが、他のメンバーと違う世界観がありますね。静かなる個性ですな。 ハウス・オブ・サイレンス Bryndle

何年か前にライブを見たときに、Karla Bonoffは非常にシャイな人とお見受けしました。詞もどちらかというと暗い内容が多いのですが、歌声とメロディが何ともすばらしい・・・。おじさんには必要なサプリメントなのです。この人の歌は。

30坪農園2007年08月19日

2年目の菜園
それまでの何年か、近隣の農家に畑を借りて家庭菜園をやっていましたが、2年ほど前に30坪の土地を買いまして、何の気兼ねも無く耕しております。
以前、3年ほど農業法人に籍をおいていましたので、何となく農業は分かりますが、いろいろな種類の野菜を上手に作るのは、なかなか難しいですよね。私は、自給目的で作るので、例えば冬長ネギなどは200本ほど定植し、そのシーズンすべてをまかなう位作付けします(写真右側がそうです)。ですので、いわゆる多くの皆さんがやられている家庭菜園とは少々趣が違い、それほど多品種のものは作っていません。単価が高い「にんにく」は、絶対欠かせません(^_^;
それと、あまりこだわりはなくて、全てを有機栽培で作ろうなどとは考えていなくて、化学肥料と有機肥料(主に自家製ボカシ)折衷で作っています。もちろん堆肥も使用しています。農薬も必要な時は使います。とうもろこしには必ず使わなければとてもできません。
よく、「自分で作ったものは全ておいしい」という方がいますが、私はまだ、そうではありません。まだ自分の畑に合った品種が見つけられていないみたいで、どうも、トマトはおいしくないですね。
味の決め手は品種で決まります。有機農法で最高にうまくできても、品種の持つ特性(味)を越すことは、なかなかできないようです。ただ、おいしい品種(=甘い、柔らかい)は、虫も病気も大好きですので弱いものです。逆に病害虫に強い品種は堅かったり、食味が悪かったりで、自分の畑に合った品種を見つけるのに、何年かかかるでしょう。近くに農家が居ればいろいろ聞けますけどね。
収穫の喜びが一番ですが、土と触れるのはとてもリラックスできますね。ただ、この猛暑の中の草取りはダイエットには良さそうだけど、命がけですわ。

2007夏~那須塩原編2007年08月20日

2007年8月某日、猛暑の栃木県南部の我が家を後に、少しでも涼しい場所へ文字通り「避暑」に出かけました。目的地は、約100km先の塩原温泉へ、Pキャンです。我が家では、GWと夏休みには必ず家族でキャンプに出掛けますが、夏は高度の高い所ですね、限りなく標高1000mに近い場所。しかも、移動時間3時間以内・・・。となれば、日光か那須くらいしかバリエーションはありません。
塩原温泉は、キャンプ初の地です。いつも各地で常用する道の駅情報は集めましたが、どうもここ近辺の道の駅は標高が低く暑そうなので、標高の高くなる温泉街方面にあるいくつかのパーキングを求めて見つけたのが、「七つ岩吊り橋の駐車場」。無料の足湯もあるし、きつい街灯も無いし、あまり広くはないけど、ここを常宿?にしました。
せっかくの塩原温泉ですから、日帰り温泉を利用。塩原温泉には「湯めぐり手形」というのがあって、900円で購入すると、提携旅館などの温泉が半額で利用できるもの。これを購入し、いくつか利用した温泉でNo.1は、「松楓楼 松屋」でした。スタッフの応対、館内の雰囲気、浴室の清潔さ、お湯の新鮮さ(もちろんかけ流し)、特に露天風呂の「福助の湯」は景色の良さと雰囲気のある檜風呂。是非お試しあれ。

意外と穴場が、新湯の方に上っていくとある「大沼園地」。沼地で、遊歩道がある。熊出没注意の看板もあり、鹿の足跡も多く観ることができるほど、あまり観光客などは見かけない場所ですが、非常に気持ち良かった。
倒木
駐車場から徒歩10分足らずで沼に到着するが、途中朽ちた倒木もあるような、殆ど手付かずの森を木道を歩き抜けてゆく。
大沼園地
モリアオガエルの繁殖地であると看板に書いてありました。正しい夏の高原!という感じの景色でしたね。ギンヤンマやオニヤンマが水辺で産卵してました。広葉樹も多く、紅葉の時期も大変良さそうです。
ここの駐車場はキャンプには適しません。トイレはありますが、手を洗う水は環境保護対策から使用できません。アルコールが常備されていてこれで手洗いです。まぁ、これはそれほど問題ではありませんが、やはり、熊や鹿の出没が多く怖い所のようです。幹線道路からも奥に入るので車や人の行き来が殆どありませんので、なおさらです。

そんなこんなで、「七つ岩吊り橋の駐車場」に戻り、夜営の準備を急ぎました。
夜営

炊飯
昨年から炊飯に土鍋(ほんわかふぇ~)を使用するようになって安定して?おいしいご飯が炊けるようになりました。これは使えます!
Colemanツーバーナーはもう十数年使用している2代目です。古いけど火力は抜群に安定してます。これが無いと我が家ではキャンプは成立しません。しかし、ホワイトガソリンは高くなったなぁ・・・。

さて、次回は何処へいこうかな?

Milton Nascimento(ミルトンナシメント)2007年08月23日

Milton Nascimento(ミルトン ナシメント)。リリースされているアルバムの中でも 「Miltons」 が最高に気に入っています(88年リリース)。 Miltons このネタを書くために改めて聴いているが、8曲目の「SEM FIM」で思わず涙してしまった。久しぶりに聴いたが、いや~染みるね。この人の歌は。どこがいいの?って聞かれてもうまく答えられないんだけど、琴線に触れる感覚だなぁ。
このアルバムは、ピアノにHerbie Hancock、パーカッション/ヴォイスに、Nana Vasconcelos(ナナ・ヴァスコンセロス) とのトリオでの録音。シンプルであるが、その分余計に染みる。ハービーのピアノは数ある録音の中でも、かなり上位に位置できるパフォーマンスではないだろうか?
4曲目の「Fruta Boa」や、8曲目「SEM FIM」で聴かせるソロは何と叙情的か・・。かと思えば、10曲目の「San Vicente」のソロは、ハービーらしいパワフルなソロを聴かせる。ハービーファンも一聴の価値ありと思う。
私が感じるに、ミルトン ナシメント節ともいえるような曲は、 1曲目の「River Phoenix」、5曲目「Sêmen」と思う。特に「River Phoenix」はナナのヴォイスと相まって独特の雰囲気を聴かせてくれる。

さて、91年のLive Under The Skyでの来日で始めて生で聴きましたが、いや~盛り上がりました。 Native Dancer ミルトン ナシメントを呼んだという、当時の鯉沼ミュージックの力というか、ミルトンを選んだセンスの良さというか・・・。是非復活させてくれ!Live Under The Sky!
で、そのLive Under The Sky91では、「Miltons」に録音されている)。「Don Quixote」を、 SPECIAL SESSIONとして、WAYNE SHORTER、HERBIE HANCOCK、STANLEY CLARKE、ROBERTINHO SILVA(知り合いのおじさんに似ている)、そしてMILTON NASCIMENTOでやりましたねぇ。良かったです。 「Native Dancer」 の再現のようでしたねぇ。こんなのが観られたイイ時代でした。

As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls トラヴェルズ 「Miltons」の話しに戻りますが・・・。
パーカッションのNana Vasconcelos(ナナ・ヴァスコンセロス) は、Pat Methenyとも共演しています。 「トラヴェルズ」「As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls」 がそれです。
この、「As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls」と「Miltons」を持って、奥日光に夜空を見に行ったのを思い出しましたなぁ。

ズ~ンと深いところで落ち着きたい時には、涙してしまった「SEM FIM」。お勧めです。切ない詩だけど(ポルトガル語は分からないので訳詩を見ているが)、情感のこもったミルトンのヴォーカルとハービーのピアノは、音だけで十分イカせてくれます。 あぁ、もう一度聴いて寝よう・・・・。
  ブログ内検索:
Loading