カスタムギター ネック合わせ ― 2008年02月10日
待ちに待ったネック合わせの日です。雪降る2月9日に行って来ました。ヤイリギターへ。事務所の扉を開けると矢入社長がお客さんとお話し中。
私:「すみませ~ん。」
社長:「ハイ。どうも!」っていつもの社長スマイル。
私:「ネック合わせに来たんですが・・・。」
社長:「あ~そう!じゃ中入っちゃって。」って工場の方を指さして。
私:「は~い!」
入っちゃってって言われても、勝手を知ってないとわからんよな~。でも社長元気よな~などと思いながら、勝手を知っている私は、迷わずネック専門の大脇さんのもとへ。
「この雪やし、来れるんかな~って思っとんたんよ。だって、ほら、ここから来たんでしょ。」ってオーダーシートの私の住所を指差しながら・・。そうです、N700系と在来線に乗って4時間30分かけて栃木から来たんです!んじゃ早速ということで、我愛機となるギターとご対面!当然のことながらネック付いてるじゃぁないですか!ヘッドも!バインディングもパーフリングも、バッチリじゃないですか!一通り確認した私を見た大脇さん。「ほらここの指板のライン、ヒールサイドのメイプル、サイドのポジション。入ってなかったもんで昨日急いで入れたんよ。」言わなきゃ分からないのに言ってくれるのは良いことなのかどうなのか・・・。仕様書に細かく図入りで書いておいたから気付いたものの、そうでなかったら抜けてたかも知れません。この辺もヤイリらしさかな?やっぱ、実際行って確認することは必要です。特に今回私のカスタムは、小池さんのBy Kenとは違うのでラインでの製作。複数の人が係わっているので抜けてしまうことがあるらしいが、ちょっと心配ですな。実は、そんな噂もチラホラ聞くのでポイントのところは足を運んできたんです。正直言うと。
気を取り直して、ネック合わせです。1ピースネックなので、太い角材から荒削りしておいたとのこと。早速握りましたが、まだまだ太い。指標となるギターを2階の試奏ルーム?から持ってきて、この位の薄さで・・・と。ヤイリ標準のネックシェイプはVシェイプで、ハイポジションに行くにつれ「かまぼこ型」になっています。私はローポジションから「かまぼこ型」にしたかったので、その旨伝え何度か削っては確認し、好みの形状にしてもらいました。薄さは2005年製のサンプル機位まで薄くしたかったのですが、ここまでやると反りが出るというので、それより1mm厚くしました。ローポジションで21~22mmの間位です。まぁこれでも結構薄いですが。ここで私の反省は、初回の丹羽さんとの打ち合わせで、強度が増す理由から三角ボリュートを迷わず付けましたが、良く考えたら、これでいきなりローポジションから「かまぼこ型」は酷ですよね。でもそこは大脇さんに謝りつつ、COLLINGSのOMのようにボリュートの裾を削ってもらって、全体を「かまぼこ型」にしてもらいました。別に大脇さんは文句一つ言わずにニコニコ対応してくれましたが・・・。大体30分位で終了です。それにしても、特大の三角ボリュートだなぁ。
削ってもらいながら大脇さんといろいろお話しして(いや邪魔しちゃ悪いと思っておとなしくしていたんですが大脇さんから話しかけてくれて・・・)、道具を見せて触らせていただいて・・・。柄はハカランダで全て手製だそうで、ナイフは4年位使っていると。でももう刃が殆ど無くなりつつあると。カンナも一番細い刃を使っていると。これは、マホガニーの目の方向に合わせて削るためとのこと。(マホガニーって目の方向が交互になっているようです)ナイフの刃を触りましたが、非常に立たせてました。カッターナイフのように切れるそうです。これで、マホを削るんですから、粘りのある鋼でないと刃がすぐボロボロになることでしょう。
大脇さんからも「YD88」でこのように作るのは始めてですよ。と言われまして、「何でこの形にしたの?」と聴かれ・・・・。かくかくしかじかとお話ししました。これの内容は完成したレポートの時にでも書きます。
このネックのマホガニーですが、目が一方方向になっているそうで、「昔は結構あったんですけどね。最近では珍しい良い材ですよ。真っ直ぐな目だしね。」とのこと。ネック削りの専門家からのお墨付きをいただけて嬉しいじゃぁないですか。
まだ、いろいろお話ししたのですが、次回以降書きますね。
削っている動画を載せておきます。何れもMPEG1です。
左側が削り出し前半(約3.1MB)。ヒール部分をガッツリ削っているのが分かります。右側が後半のボリュートからの「かまぼこ型」への整形(約4.2MB)。
現状の写真も載せておきます。ヘッドプレートのバーズアイメイプルの杢が凄いです。分かってらっしゃる!って感じの材を選んでもらえました。塗装されるともっと立体感が出るかな?
バックのマホガニーは、特有のリボン杢がフラッシュで良く見えます。綺麗です。
指板のエボニーは、真っ黒ないわゆる「マグロ」ってやつですね。ブリッジも真っ黒でお願いしてますがどうなるかな?
次回は納品されたレポートを予定してます。
カスタムギターの進み具合は? ― 2007年12月01日
ヤイリギターにカスタムギターをオーダーしたのが9月。2ヶ月経ってどの位進んでいるのか電話してみると、どうやら箱になっているらしい・・・と聞いたのが先週頭。もう、居ても立ってもいられなくなり、先週末行って来ちゃいました。岐阜まで。
どのような仕様なのか、明かしていませんのでさらっと記しておきます。(ヤイリギターのラインナップを知らないと何のことか分からないと思いますが、気にせず書いていきます)
形状:YD88ノンカッタウェイ、サウンドホール有
ボディ厚:ドレッドノートと同等
トップ材:シトカスプルース単板
サイド/バック:マホガニー単板
心配だったのがサウンドホールとボディ厚。本来YD88は薄胴。しかもサウンドホール無しのエレアコです。自作の仕様書とカスタム担当の
丹羽さんとの
打ち合わせ、その後の電話での打ち合わせもしてますので大丈夫とは思いますが、月間20本位のカスタムオーダーが入ってきているようですので大変らしい事もあり、よもや、薄胴のままとかサウンドホールが開いてないとか・・・。ネック合わせの時にそんな事があったらガックリきてしまうので、この目で確認!確認!何より見たいし!
んで当日。
窓口の矢入賀光(ヤイリ ヨシミツ)さんの案内で以前見学させていただいた中間品を寝かせる部屋に行き、ご対面!
大丈夫でした。穴も開いてるし胴も厚いし、ロゼッタにも貝入れてあるし。まだ全面にペーパーをかけていないようですので、染みなどはそのままです。
何より、丹羽さんとの打ち合わせの時、「スプルースはきれいな横縞の沢山入ったやつお願いします!」というわがままを聞いてくれてました!(写真をクリックすると拡大されます。分かりやすいように画像を若干暗めに調整してあります)いや~こりゃ凄い!ゾクゾクしますねぇ。丹羽さんありがとう!仕上げされて塗装されたらどのようになるんだろう・・・。
ロゼッタも指定通りKOA-1L+αとなっていてアバロンは既にきれいな輝きをしてますね。このロゼッタで正解でした。赤のセルがイイ感じです。
サイド/バックのマホガニーが意外と白っぽいので、色を付ける必要があるかな?と思っています。丹羽さんともお話しし、ネック合わせの時に色は決めましょうということになりました。一点不具合を見つけたのでそれは修正いただくことで確認終了です。まぁ、見に行って良かったです。不具合もありましたので。
ちょうどお昼になったので、賀光さんと食事に出ました。食べながら「個性的な一本になりますね。YD88でサウンドホール有りで厚胴は今まで多分無かったんじゃないでしょうか」とのお言葉。あらま!正直うれしいお言葉です。
「この歳になって、こんなにワクワクする事ってなかなかないですよ!」って私。賀光さんも嬉しそうでした。
カスタムオーダーは、そこそこのお値段はします。が、他社でやっているカスタムと比べたらヤイリギターのカスタムは非常にお安いと思います。仕様では色々わがまま聞いてくれますし。こんな素人のおじさんのオーダーにも丁寧に対応してくれます。プロもアマも関係ないみたいです。頼む方がどんなギターを作りたいか細部まではっきりしていればキッチリ聞いてくれます。漠然としていても、相談に乗ってくれます。予算次第で出来ること出来ないこともはっきり言ってくれますので、できれば様々調べてギターへの知識を深めておくと、より正確に伝えることができると思います。
まぁ何より、このワクワク感や、ヤイリギターの皆さんと仲良くさせていただくという喜びみたいなものも含まれたカスタムオーダーなのだなぁ・・と強く感じています。
丹羽さんや賀光さん達との雑談でこの人たちの優しく頑固な「人となり」みたいなものも感じたり、ヤイリギターの若手職人達の前向きさの話しを聞いたり・・・。そんな素晴らしき人たちによって自分のギターが作られていくというのは嬉しいですね。そして、この工房の人達は社長はじめ優しいです。
何だか美化し過ぎた文章と読めるかもしれないですが本当なのです!経験されている方はお分かりだと思います。もし、ヤイリでカスタムオーダーするなら、ショップには頼らずに直接行って、疑問点もぶつけて、納得行くまでお話しして仕様を決められることをお勧めします!同じお金を払うのでしたら100%納得したいですよね。ヤイリ側もオーダーした人に満足してもらう事を一番望んでいます。納品されてから「ここはこうじゃなかった!」なんてトラブルはお互い避けたいです。どうしても、紙と電話だけでは伝えきれないものがあるのは事実ですよね。それには、何度か足を運ぶことです。望むものを作りたかったら、予算の中には通う覚悟で旅費分も余分に入れておくべきですよ。
どのような仕様なのか、明かしていませんのでさらっと記しておきます。(ヤイリギターのラインナップを知らないと何のことか分からないと思いますが、気にせず書いていきます)
形状:YD88ノンカッタウェイ、サウンドホール有
ボディ厚:ドレッドノートと同等
トップ材:シトカスプルース単板
サイド/バック:マホガニー単板
心配だったのがサウンドホールとボディ厚。本来YD88は薄胴。しかもサウンドホール無しのエレアコです。自作の仕様書とカスタム担当の
丹羽さんとの
打ち合わせ、その後の電話での打ち合わせもしてますので大丈夫とは思いますが、月間20本位のカスタムオーダーが入ってきているようですので大変らしい事もあり、よもや、薄胴のままとかサウンドホールが開いてないとか・・・。ネック合わせの時にそんな事があったらガックリきてしまうので、この目で確認!確認!何より見たいし!んで当日。
窓口の矢入賀光(ヤイリ ヨシミツ)さんの案内で以前見学させていただいた中間品を寝かせる部屋に行き、ご対面!
大丈夫でした。穴も開いてるし胴も厚いし、ロゼッタにも貝入れてあるし。まだ全面にペーパーをかけていないようですので、染みなどはそのままです。
何より、丹羽さんとの打ち合わせの時、「スプルースはきれいな横縞の沢山入ったやつお願いします!」というわがままを聞いてくれてました!(写真をクリックすると拡大されます。分かりやすいように画像を若干暗めに調整してあります)いや~こりゃ凄い!ゾクゾクしますねぇ。丹羽さんありがとう!仕上げされて塗装されたらどのようになるんだろう・・・。ロゼッタも指定通りKOA-1L+αとなっていてアバロンは既にきれいな輝きをしてますね。このロゼッタで正解でした。赤のセルがイイ感じです。
サイド/バックのマホガニーが意外と白っぽいので、色を付ける必要があるかな?と思っています。丹羽さんともお話しし、ネック合わせの時に色は決めましょうということになりました。一点不具合を見つけたのでそれは修正いただくことで確認終了です。まぁ、見に行って良かったです。不具合もありましたので。
ちょうどお昼になったので、賀光さんと食事に出ました。食べながら「個性的な一本になりますね。YD88でサウンドホール有りで厚胴は今まで多分無かったんじゃないでしょうか」とのお言葉。あらま!正直うれしいお言葉です。「この歳になって、こんなにワクワクする事ってなかなかないですよ!」って私。賀光さんも嬉しそうでした。
カスタムオーダーは、そこそこのお値段はします。が、他社でやっているカスタムと比べたらヤイリギターのカスタムは非常にお安いと思います。仕様では色々わがまま聞いてくれますし。こんな素人のおじさんのオーダーにも丁寧に対応してくれます。プロもアマも関係ないみたいです。頼む方がどんなギターを作りたいか細部まではっきりしていればキッチリ聞いてくれます。漠然としていても、相談に乗ってくれます。予算次第で出来ること出来ないこともはっきり言ってくれますので、できれば様々調べてギターへの知識を深めておくと、より正確に伝えることができると思います。
まぁ何より、このワクワク感や、ヤイリギターの皆さんと仲良くさせていただくという喜びみたいなものも含まれたカスタムオーダーなのだなぁ・・と強く感じています。
丹羽さんや賀光さん達との雑談でこの人たちの優しく頑固な「人となり」みたいなものも感じたり、ヤイリギターの若手職人達の前向きさの話しを聞いたり・・・。そんな素晴らしき人たちによって自分のギターが作られていくというのは嬉しいですね。そして、この工房の人達は社長はじめ優しいです。
何だか美化し過ぎた文章と読めるかもしれないですが本当なのです!経験されている方はお分かりだと思います。もし、ヤイリでカスタムオーダーするなら、ショップには頼らずに直接行って、疑問点もぶつけて、納得行くまでお話しして仕様を決められることをお勧めします!同じお金を払うのでしたら100%納得したいですよね。ヤイリ側もオーダーした人に満足してもらう事を一番望んでいます。納品されてから「ここはこうじゃなかった!」なんてトラブルはお互い避けたいです。どうしても、紙と電話だけでは伝えきれないものがあるのは事実ですよね。それには、何度か足を運ぶことです。望むものを作りたかったら、予算の中には通う覚悟で旅費分も余分に入れておくべきですよ。
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