トップ湿ってるねぇ・・・2008年06月09日

膨らんだ夏目 YD-CUSTOMの調整をヤイリの小池さんにお願いしましたが、作業中のやり取りの中で、突然Kenさん。
Kenさん:「あれ、トップ湿(シケ)ってるねぇ・・・」
私:「へっ?」
Kenさん:「ほら、夏目膨らんでるでしょう!」
私:「へっ?ナツメ?棗?natsume?」
Kenさん:「ほら、冬目に比べると膨らんでるでしょう!」
私:「あぁ。夏目ね。」
Kenさん:「でも、この時期だからってのもあるなぁ。」
ほう。そんな所で分かるんですね。私は始めて知りましたが、言われてみればその通りです。そんなに湿度に敏感なのですね。改めて目の当たりにしましたよ。それにしても、ヤイリの塗装は薄くなりましたね。80年製のDY28-12と比べるとその差はよ~く分かります。

「夏目」。ご存じない方に説明しますと、スプルースなどの木目には、濃い色の細い線の部分と、それに挟まれている薄い色で比較的幅のある部分がありますが、濃い部分は「冬目」といい、寒い時期の成長が遅くなっている部分です。一方色の薄い部分は「夏目」といって、暖かい時期に成長した部分。当然「夏目」の方が密度も低く柔らかい。従って水分も吸いやすいというわけです。
上の写真をクリックいただくと拡大されます。よ~く見ると夏目の部分が盛り上がっているのが分かると思います。小池さんはこれを言っていたのです。

Kenさん:「保管はどうしてる?」
私:「今の時期はケースに入れてますねぇ。」
Kenさん:「なるべく外がええよ。ケースにしまうんだったら、一度ケースをよ~く乾燥させてからの方がいいね。」
ちょっと湿度管理しなければならないなぁ・・・・。音にも影響してるだろうなぁ・・・。ボディ内部も塗装してもらった方が良かったのかなぁ・・・。いろいろ考えながら帰途に着きました。
保管はちょっと考えます。壁に吊るすのがいいですよね。
小池さん。また一つギターとの付き合い方を教えていただいた思いです。妙に説得力ありました。

コメント

_ kiya ― 2008年06月10日 23時03分

ねこまんまさん、こんばんは。

四季のはっきりした国ですから、湿気りもあれば乾燥もありってことでしょうか(なんのこっちゃw)

これから梅雨明け(7月末頃?)までは「鳴らない」時期になりますので、完成1年後にどうなっているかで判断されてはどうでしょうか。

YD-CUSTOMは「秋→冬カスタム」(表現がチョット変w)であり、乾燥した良い時期に製作されていますので出来は良いと思います。
ヤイリ工場の真夏の状態を考えますと「晩春→初秋カスタム」は避けたいところでありますw

_ ねこまんま ― 2008年06月10日 23時23分

kiyaさん。こんばんは。
はい。このまま様子を見るつもりです。
実は製作時期の気候も意識しての9月オーダーだったのです。 kiyaさんご指摘のように夏のヤイリは過酷な労働環境ですよね(・・・は言い過ぎ?)。
う~ん。でも小池さんに「シケってる」って言われたのはショックは隠せませんでした。28年前のDY28-12なんてな~んにも考えずに保管してましたが、28年間ボディはノートラブルですからねぇ。カスタムは扱いが難しいのですかねぇ。まぁ、こうして付き合い方を見つけていくのですね。

_ TANAKA ― 2008年06月11日 19時06分

ねこまんまさん、こんにちは。
え~、去年ラインオーダーのヤツは同じ状態でした。塗面が薄くてヤイリのラインもすごいと思っていたのですが、単純ではないようですね。一年経って少し落ち着きましたが。
ちなみに道前ギターは夏目が細いんですが、全くそういう状況にはいまのところ陥っていません。
私は一年中ケースから基本的に出しっぱなしです。湿度のコントロールは難しいですね。

_ ねこまんま ― 2008年06月12日 15時39分

TANAKAさん。こんにちは。
そうですかぁ。でも同じヤイリなのですし、トップの加工などは非常に基本的な部分であると思うんです。いくら、by kenであろうが、by道前であろうがこういったところでラインと差が出るのは好ましくないと思いますよね。まぁ、だからこそ皆さん(私も)小池さんに作ってもらいたくなってしまうんですよね。それは分かるんですが、もっと技術の共有化をやってもらいたいですね。確かに職人さんの経験やスキルの差はあるかもしれませんが、「ヤイリは間違いない!」と言い切れる品質になって欲しいと願いますね。

_ kiya ― 2008年06月13日 23時08分

製作環境や製作途中の保管条件はライン品の方がだんぜん良いと思いますが、小池印&道前印とライン品で一番異なるのは「塗装工程」ではないでしょうか。
前者の場合はとにかく塗料を数多く薄く重ねて状態を見ながらちょうど良いところで止めるのに対して、ライン品は塗装回数が決まっていて、最後のときに艶が出るまで塗料を吹き付けていると方法と思います。
当然乾燥回数、時間も大きく違いますし、ライン品では乾燥室で加熱している強制乾燥に対して、小池印&道前印では自然乾燥でじっくりとやっているので製作直後に材の変化が少ないのでは(これといった根拠はないですがw)。

ところでねこまんまさんのHPが最近になってこちら(http://www.katch.ne.jp/~season/guitar.htm)にリンクされたことをご存じですか?

_ ねこまんま ― 2008年06月14日 08時22分

kiyaさん。こんにちは。
製造本数を確保する上では、いくらハンドメイドであっても効率的な対応ができるものはそのようにするのは当然なのでしょうね。
ギターを弾く側としては、欲しい音が出るのか?が一番の関心事ではありますが、特にギターの場合は音に加えて木の杢や細かい作り込みなどを総合して評価してしまいます。ましてやカスタムオーダーともなればパーフェクトを望んでしまいます。余計に厳しい目で見てしまいますね。
まぁ。YD-CUSTOMが望む音になってくれることを願うばかりです。

リンクは知りませんでした。ありがたいことです。このサイトはkiyaさんの運営ですか?

_ kiya ― 2008年06月14日 10時30分

ねこまんまさん、こんにちは。

ギターに宿った天使が「良い子」に育つか否かは弾き手次第ってことでしょうかw。

リンク先のサイトについては管理者が誰か、私も知りません。
拙ブログも知らない間にリンクされておりました。
いつもチェックしていたサイトが多くリンクされていますので、使用頻度が高くなっております。

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