YD Custom 小池マジック・・・なるか?2008年06月08日

小池さん YD Custom。手元に来てまだ3ヶ月ではありますが、どうも1、2弦のヌケが悪い・・・というか明らかに中低音が勝っている。特にピックを使ってのローポジションのストロークでは顕著になるので、「どうしたものか?」と思案しておりました。でも、カポを使った指弾きでは、それはもう狙い通りの通る高音と程よいバランスとサスティンが得られています。このボディの特性なのだろうと感じてはいるのですが、そこは、オールラウンドになるものなら何とかしたい(欲深?)。経年変化で音が変わるのはYWやDYで経験していますが、そんな劇的に変わるわけでもないので、このYD Customのバランスを整わせるのはどのようにすれば良いのか?やはり、小池さんに聞こうと思いました。別件でヤイリに行く用事があったので、同じYD88ベースでBy Kenをお作りになる予定の、TANAKAさんのアドバイス通り、事前アポを取って、お伺いしました。
YD Customを見るなり・・・。
Kenさん:「ボディ厚いなぁ。」
やはりそうですよね。私もそう思ってますから・・・と心の中で。
私:「ドレッドのボリューム感が欲しくて同じ厚さにしたんですよ。」
Kenさん:「ドレッドより厚く見えるね。少しサイズが小さいからかぁ。」
Kenさん:「やっぱり、新しく作るサイズはいろいろ試さないと難しいね。」
私:「ですね。」

そして弾いてみて・・・。
Kenさん:「あぁ。1、2弦確かに曇ってる感じだね。もっと煌びやかにしたいの。」
私:「はい。」
「う~ん。」と言いながら、おもむろに弦を緩めてサウンドホールに腕を突っ込んでガリガリと。
おっと。ついに奥義を目の当たりにしてしまうか・・・と、ちょっと感動しながら作業を見守っておりました。
エンドボールを挟みます 「どうかな?」と手渡されて弾いては、「う~ん。どうでしょう・・・(まだですねの雰囲気をかもしながら)」のやり取りを何回か繰り返し、象牙のサドルを牛骨に換えたりと30分近く経ち・・・。やはり高音を広げるのは難しそうでした。1、2弦にエンドボールを挟んでの音のヌケ改良対応もして(もちろん弦交換です)、取り敢えず様子見ということにしました。

家に帰っての確認では、まだ新品弦の響きがあるのでバランスは大変良いのですが、何週間か経ってからどのように変化してくるかが楽しみですねぇ。
ガリガリはブレイスを削っています。これは私の自己判断ですが、ノウハウですので削られたブレイスの画像などは載せません。あしからず。

納品後もこんなチューニングを頼めるのもヤイリの魅力です。
そして、小池さんの作業の早さと無駄のない動きはまさにホンモノを目にした思いでした。
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