ギターの木目と1/f ゆらぎ2008年03月17日

良くできたギターを眺めていると癒される方は結構多いと思うのですが、私なんかは、スプルースやセダーのシルク(トラ目状に入っている横筋)にフェチがあるらしく、これを見ているだけですっかり心休まってしまいます。バリバリのハカランダの板目やカーリーメイプルなんかよりずっと。
1763のセダー 何故そんなにギターを見ているだけで癒されるのか?もちろん、好きだからなんだけど、もうちょっと掘り下げたい。そんな時、フト「1/f ゆらぎ」というキーワードが浮かびました。でもその定義がイマイチ私の中では曖昧なので、Wikiすると「1/f ゆらぎ」とは、「パワーが周波数fに反比例するゆらぎのこと。あらゆる物理現象、生物現象、経済現象に現れる。具体的には人の心拍の間隔や、ろうそくの炎の揺れ方、電車の揺れ、小川のせせらぐ音・・・。」何のことやら分からない。もう少し調べると、どうやら「規則的なものと、ランダムなものとの中間的なもので、それが人間に快適感を与える」と。

なるほど、柾目の板の木目はこれに当てはまります。比較的等間隔に並んだ木目の部分とそうでない部分がわざとらしくない間隔で不規則に並んでいます。アコギのトップ材はまさにこれですよね。トップの木目は「1/f ゆらぎ」だったんです。妙に納得です。
DY28-12のスプルース ギター全体を見ると、これまた、規則的なものとランダムなものの固まりです。一般的にノンカッタウェイでしたら線対称な形ですし、インレイにも幾何学的な形が多かったりします。反面、木目や塗装のツヤなどはランダムな要素があって、まさに、ギター全体が「1/f ゆらぎ」ですね。
そんなギターで奏でられる音楽も、音そのものにも「1/f ゆらぎ」の要素はあります。

私の家は木造家屋です。柱はちょっと良い木を使ってあるので木目が美しい。とても落ち着きます。天井にも杉の木目がある。畳の目も規則的ではあるけれど、微妙に太さが違っていたりします。無意識の内に「1/f ゆらぎ」を感じながら生活していたのかも知れません。木に癒しを感じるのはこんなのも理由の一つなんでしょうかねぇ。

そうそう、先日まな板を買いに行ったのですが、スプルースのまな板が10枚位在庫で置いてあり、木目を見比べてシルクが入ったいくつかのものから1枚を選ぶのに、20分位費やしてしまった私って・・・・。
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