byKen#74 レポートその2 ― 2011年04月24日
byKen74の外観を見てみます。
トップから見てみます。シトカスプルースです。もともと濃い色のスプルースでしたので、磨いた後も濃い色になりましたね。でも、タッピングの音が非常にヌケの良い音でしたしコシもある板で、乾燥具合も良い板です。木目も中心部が詰まっていて、よく言われるセオリー通りの板だと思います。勿論Kenさんにアドバイスをいただきながら選びました。
パーフリングの黒蝶貝が怪しい光り方をしています。こういう感じが欲しかったのです。貝に沿った黒い線材が良い効果を出していると思います。ここには細くても白い線は入れたくないですね。
ロゼッタ周りです。ロゼッタも黒蝶貝を入れています。太い黒色部はハカランダです。線材はセル。敢えてセルです。サイドの線材もそうですが、色のメリハリを付けたかったのでセルにしました。木製の線材ですと、白黒がはっきりしないので、黒蝶とのバランスが良くないと考えてのセルです。経年で収縮すると思いますが、まぁ良いかなと。
サウンドホールからロゼッタの内周までの距離を3mmにしました。通常は6mm程度らしいですが、ここを細くすることでいっそう引き締まります。ここの距離を変えるだけでも、印象が随分変わります。
黒蝶貝をご覧いただきます。アバロンのように明るく複雑な柄ではないので黒い印象の貝です。黒蝶貝や白蝶、黄蝶共通して、光るための光の入射角が限られます。ですので1方向から見ると所々が光る格好になります。その代わり、光る角度がいくつかあって、それに合うとアバロンにはない輝きと発色をします。明らかにアバロンとは異なる光り方ですし、緑色に光る部位は非常に綺麗ですねぇ。
アバロンを巻いたYD-Customと。その違いがわかります。YDは随分焼けたなぁ~
続いてブリッジです。テイラーっぽくなってしまいましたが、欲しい形状でした。ベリーより広くヤマハっぽい中央部にして、サイドを斜めにカットしてみました(単純に斜めではないのですが・・・)。材は黒檀です。
ホンジュラスマホガニーのバックです。フレイムの入った材を探していただいて、見つけていただいたものを使用しました。着色は通常のマホより濃い目にしてもらい、バインディングのカーリーコアを浮き立たせる効果も狙いました。タッピングしてみますと、結構硬い締まった音がしています。
サイドも同じくホンジュラスマホガニー。細いフレイムが薄く入った材ですが、この輝き方が良いですよね。マホガニーってこんな風に光るんです。バインディングはヒールサイドにも入れてもらいました。
ネックはマホガニーとメイプル、黒檀の5P。マホガニーは接木していない1本ものです。
ヒールキャップもカーリーコア。サイド/バックの線材もセルでメリハリのある白-黒-白にしました。
サイドポジション。12フレットを大き目のかまぼこ型にしています。指板下にも線材を入れています。ここの線材は経年でも収縮しないように木製にしました。バインディングはカーリーコアです。
ヘッドです。形状は James A. Olson をパクっていますが、サイズは異なります。#74の方が数ミリ幅が狭いです。
ここのデザインもどうしようかかなり悩みましたが、キルテッドマホガニーにヤイリギターの矢じりマークを小さくワンポイントにしました。貝は使いたくなかったので、黒檀で作っていただきました。バインディングはカーリーコアです。
このようなペグの配置で、弦のテンションを弱くする効果も狙っています。チューナーボタンはゴトーの黒檀ですが、何れ自作のものに替えます。
ナット幅が45mm。ネックは厚めに削ってもらいました。非対称形状でもあります。NYのような握りに近いかも知れませんが、実はこれ位太いほうが握りやすいのです。私のように大きな手ですと。音にも影響していると思います。
このヘッドの曲線。好きなんです。いろいろと研究しましたが、この曲線が今の私にはベストです。実は、James A. Olson とは微妙に曲線が異なります。自分が一番気持ちの良い曲線に何度も書き直しました。ヤイリさんのカスタムはこういう事が出来るのが素晴らしいです。
最後がヘッド裏です。ペグはゴトーのSGV510ZゴールドのXフィニッシュ。指定はSGV510Zとだけで、色もフィニッシュもお任せでした。まさかXフィニッシュを装着いただけるとは思っていませんでした。期待はしていましたが・・・Kenさん曰く、ギターに合ったものを選んだだけだよ!と。H.A.P.にまでしてくれてグレード的にはハイエンドですねぇ。やはり、1:21は良いです!
ネックの方は三角ボリュートを入れていただきました。5Pとの感じが綺麗です。
さて、外観をご覧いただきました。Kenさんには細部の形状や色合いなど、それは細かく確認していただきながら製作いただきました。都度連絡をいただき、確認しながら作業を進めていただけたのは本当に頭が下がる思いです。その甲斐あって完璧な造りです。こんなカスタムができるのも、ヤイリギターだからこそだと思いますね。
では、次回は内部を少しだけ・・・にしようかな?
トップから見てみます。シトカスプルースです。もともと濃い色のスプルースでしたので、磨いた後も濃い色になりましたね。でも、タッピングの音が非常にヌケの良い音でしたしコシもある板で、乾燥具合も良い板です。木目も中心部が詰まっていて、よく言われるセオリー通りの板だと思います。勿論Kenさんにアドバイスをいただきながら選びました。
パーフリングの黒蝶貝が怪しい光り方をしています。こういう感じが欲しかったのです。貝に沿った黒い線材が良い効果を出していると思います。ここには細くても白い線は入れたくないですね。
ロゼッタ周りです。ロゼッタも黒蝶貝を入れています。太い黒色部はハカランダです。線材はセル。敢えてセルです。サイドの線材もそうですが、色のメリハリを付けたかったのでセルにしました。木製の線材ですと、白黒がはっきりしないので、黒蝶とのバランスが良くないと考えてのセルです。経年で収縮すると思いますが、まぁ良いかなと。
サウンドホールからロゼッタの内周までの距離を3mmにしました。通常は6mm程度らしいですが、ここを細くすることでいっそう引き締まります。ここの距離を変えるだけでも、印象が随分変わります。
黒蝶貝をご覧いただきます。アバロンのように明るく複雑な柄ではないので黒い印象の貝です。黒蝶貝や白蝶、黄蝶共通して、光るための光の入射角が限られます。ですので1方向から見ると所々が光る格好になります。その代わり、光る角度がいくつかあって、それに合うとアバロンにはない輝きと発色をします。明らかにアバロンとは異なる光り方ですし、緑色に光る部位は非常に綺麗ですねぇ。
アバロンを巻いたYD-Customと。その違いがわかります。YDは随分焼けたなぁ~
続いてブリッジです。テイラーっぽくなってしまいましたが、欲しい形状でした。ベリーより広くヤマハっぽい中央部にして、サイドを斜めにカットしてみました(単純に斜めではないのですが・・・)。材は黒檀です。
ホンジュラスマホガニーのバックです。フレイムの入った材を探していただいて、見つけていただいたものを使用しました。着色は通常のマホより濃い目にしてもらい、バインディングのカーリーコアを浮き立たせる効果も狙いました。タッピングしてみますと、結構硬い締まった音がしています。
サイドも同じくホンジュラスマホガニー。細いフレイムが薄く入った材ですが、この輝き方が良いですよね。マホガニーってこんな風に光るんです。バインディングはヒールサイドにも入れてもらいました。
ネックはマホガニーとメイプル、黒檀の5P。マホガニーは接木していない1本ものです。
ヒールキャップもカーリーコア。サイド/バックの線材もセルでメリハリのある白-黒-白にしました。
サイドポジション。12フレットを大き目のかまぼこ型にしています。指板下にも線材を入れています。ここの線材は経年でも収縮しないように木製にしました。バインディングはカーリーコアです。
ヘッドです。形状は James A. Olson をパクっていますが、サイズは異なります。#74の方が数ミリ幅が狭いです。
ここのデザインもどうしようかかなり悩みましたが、キルテッドマホガニーにヤイリギターの矢じりマークを小さくワンポイントにしました。貝は使いたくなかったので、黒檀で作っていただきました。バインディングはカーリーコアです。
このようなペグの配置で、弦のテンションを弱くする効果も狙っています。チューナーボタンはゴトーの黒檀ですが、何れ自作のものに替えます。
ナット幅が45mm。ネックは厚めに削ってもらいました。非対称形状でもあります。NYのような握りに近いかも知れませんが、実はこれ位太いほうが握りやすいのです。私のように大きな手ですと。音にも影響していると思います。
このヘッドの曲線。好きなんです。いろいろと研究しましたが、この曲線が今の私にはベストです。実は、James A. Olson とは微妙に曲線が異なります。自分が一番気持ちの良い曲線に何度も書き直しました。ヤイリさんのカスタムはこういう事が出来るのが素晴らしいです。
最後がヘッド裏です。ペグはゴトーのSGV510ZゴールドのXフィニッシュ。指定はSGV510Zとだけで、色もフィニッシュもお任せでした。まさかXフィニッシュを装着いただけるとは思っていませんでした。期待はしていましたが・・・Kenさん曰く、ギターに合ったものを選んだだけだよ!と。H.A.P.にまでしてくれてグレード的にはハイエンドですねぇ。やはり、1:21は良いです!
ネックの方は三角ボリュートを入れていただきました。5Pとの感じが綺麗です。
さて、外観をご覧いただきました。Kenさんには細部の形状や色合いなど、それは細かく確認していただきながら製作いただきました。都度連絡をいただき、確認しながら作業を進めていただけたのは本当に頭が下がる思いです。その甲斐あって完璧な造りです。こんなカスタムができるのも、ヤイリギターだからこそだと思いますね。
では、次回は内部を少しだけ・・・にしようかな?
コメント
_ DY28 ― 2011年04月25日 13時48分
_ ねこまんま ― 2011年04月25日 21時33分
ありがとうございます。
是非、弾いてやってください!
コダワリに遠慮は不要です。想いを実現したい熱意が
届く相手であれば形になります。
酒を舐めながら夜な夜な楽しみながら考えたデザインが
形になる楽しさは、大人の贅沢そのものですよ。
Kenさんは、それに付き合っていただけた最高の匠です。
そして、ヤイリに通うことで多くの方と出会うことが出来ています。
価格以上の価値がありますね。
幸せなことですよ!
是非、弾いてやってください!
コダワリに遠慮は不要です。想いを実現したい熱意が
届く相手であれば形になります。
酒を舐めながら夜な夜な楽しみながら考えたデザインが
形になる楽しさは、大人の贅沢そのものですよ。
Kenさんは、それに付き合っていただけた最高の匠です。
そして、ヤイリに通うことで多くの方と出会うことが出来ています。
価格以上の価値がありますね。
幸せなことですよ!
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たぶん こういう音だろうなあと 勝手に想像(笑)できる
美しい外観ですねえ
これは 職人同士でないと出来ないなあ
細部にこだわりがありますねえ
特に ヘッドは曲線も綺麗で お見事です
いつか 弾かせてくださいねえ